2014 Fiscal Year Research-status Report
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26380025
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
小倉 一志 小樽商科大学, 商学部, 教授 (20360886)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 公法学 / 憲法 / 表現の自由 / サイバースペース / インターネット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、サイバースペースないしインターネットというメディアを表現の自由の観点から考察するものである。サイバースペース(インターネット)における表現活動は、リアルスペースにおけるものと比べて「参入障壁」が非常に低く、また、表現内容をより広汎に伝達できることから、サイバースペース(インターネット)が表現の自由に対して持つ意義は非常に大きいものといえる。 私は、かねてより、①サイバースペース(インターネット)における表現内容規制を目的とした(アメリカ・日本の)立法及び判例、学説の検討、②サイバースペース(インターネット)をめぐる「原理的な理論」の検討、③「インターネットを利用した選挙運動」の問題の検討などを行ってきた。今後も、これらの作業を継続するほか、「コード」(特に、未成年保護を目的としたフィルタリングソフトウェア)を基軸としたサイバースペース(インターネット)における表現内容規制論の「再」構成などについても(更に)考究してみたいと考えている。 今年度は、論文集(「選挙運動におけるインターネットの利用―わが国の過去・現在・近未来」について分担執筆)・紀要論文(「電子投票に関する一考察」について執筆)・教科書(「マンガやアニメを規制していいの?」について分担執筆)・判例集(「事前抑制の禁止―北方ジャーナル事件最高裁判決」について分担執筆)・事典(「安全・安心社会」「インターネット協会」「監視カメラ」「電子政府」「東芝クレーマー事件」「ニュース・サイト」「プロバイダ責任(制限)法」について項目執筆)を公表したほか、論文集(「インターネット上のプライバシー侵害に関する一考察」について分担執筆)・判例集(「自己情報のインターネット・サイトへの無断記載―K.U.対フィンランド判決―」について分担執筆)などの執筆作業も行った(公表は次年度となる見込み)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回の研究課題に密接に関連する論考2本(「選挙運動におけるインターネットの利用―わが国の過去・現在・近未来」「電子投票に関する一考察」)を論文集・紀要に掲載できたほか、事典・法学の教科書・判例集などについても執筆作業を行い、公表(公表予定を含む)することができたから。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、「ヘイトスピーチ(差別的表現)」関する研究を中心に作業したいと考えている。研究成果については、論文集・紀要等に掲載できるようにしたい。また、それに付随した研究ノート・判例評釈等も執筆し、本学の紀要に投稿したいと考えている。
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Causes of Carryover |
今年度は、管理職として所属学科の管理運営業務に多くの時間を割かなければならなかったほか、家族の病気などもあり、出張等を控えざるをえない事情がありました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、今年度の分も出張するようにし、物品費等も使用することによって予算執行に努めたいと思っています。
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