2015 Fiscal Year Research-status Report
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26380036
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
淺野 博宣 神戸大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (40261945)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 憲法訴訟 / 立法事実 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度についても、引き続き、日米における憲法訴訟について研究を行い、特に、前年度に行った立法裁量論に関する研究をさらに前進させた。 とりわけ、選挙制度について立法裁量が認められてきた、選挙に関する憲法訴訟についてその歴史を追って研究をおこない、日本とアメリカにおける判例の展開とその背景について検討した。立法府に裁量が認められる場合、裁判所がその審査をどのように行うべきかが問題になるが、その問題に加えて、裁判所が審査の結果として憲法に抵触すると判断した場合に、立法府に認められる裁量にもかかわらず、裁判所がどのように救済を与えることができるかという問題がある。本年度は、前者だけでなく、後者の側面についても、検討を加えた。このような研究のうち、日本のいわゆる定数訴訟に関する部分については、知見を得てまとめることができたので、来年度中に公表できるものと思われる。この点に関するアメリカの議論については、英米法における救済法の伝統があることが指摘され、そのようなものとして、英米法系に属さない日本法とは異なるものとしてしばしば扱われてきたが、この点の研究については、今年度中はまとめることができるには至らなかったので、平成28年度中に知見をまとめて、公表したいと考えている。 また、同様の問題関心から、平等に関しても検討を行った。この点では、国籍留保制度の合憲性が争われた最高裁判決についての判例評釈を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
成果の一つについては、ほぼとりまとめることができ、来年度の公表への目処が立ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度が最終年度であるため、必要な場合は研究範囲を絞って、成果の公表を第一義としたい。
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Causes of Carryover |
次年度への繰り越し分は、前年度の未使用分であり、平成27年度についてはほぼ予定どおりに使用している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
購入が必要な図書がまだかなりあるため、来年度もそのために使用することが必要であり、最終的には予定どおり使用する必要があると考えている。
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Research Products
(1 results)