2014 Fiscal Year Research-status Report
国際組織・国家・私的アクターによるソフト・ガバナンス-バイオエネルギーを例に-
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26380059
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内記 香子 大阪大学, 国際公共政策研究科, 准教授 (90313064)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | プライベート・スタンダード / プライベート・アクター / ソフトガバナンス / レジーム・コンプレックス / バイオエネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度は主として2つの研究活動、すなわち、理論的なまとめと、インタビュー調査の事前準備を行った。 まず、理論的まとめについては、バイオエネルギーの持続可能性をめぐり国際・地域・国内・私的レベルの多数の制度が混在している状況になっているため、複雑な制度間関係の検証に使われる、国際法の「断片化」理論と国際関係論の「レジーム・コンプレックス」理論についてそれぞれの先行研究をレビューした。この点に関して、海外の専門家との意見交換も行った。7月にスイスで開催されたSociety of International Economic Law 2014 Global Conference(学会)に参加した機会に研究者と意見交換ができたことと、3月にオランダの大学を訪問して、バイオエネルギーおよび環境法の研究者と意見交換ができたことが有意義であった。上記の理論と並んで、public private partnershipの視点が重要であり、とりわけプライベート・アクターの役割をどのように位置づけるかについて、研究関心を深めることができた。 また、次年度に行うインタビュー調査のアクターを選定し、コンタクトをとり始めた。5月に参加したISEAL AllianceのGlobal Sustainability Standards Conferenceでは、バイオエネルギーの持続可能性について指標・基準等を策定・実施を行っているアクターに関する情報を得ることがでた。3月にはその一部のアクターと欧州で面会しインタビューをとることができた。上述のとおり、プライベート・アクターの活動に関する情報が重要となるため、NGOやマルチステークホルダーイニシアティブと言われるような私的な団体について調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度計画どおり、理論的まとめとインタビュー調査の事前準備ができたという点で、おおむね順調に進んでいると評価できる。海外での調査を3回に分けて、十分な調査期間をおいて行えたところが良かったと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、選定したインタビュー対象者にコンタクトをとり、研究趣旨を説明、現地でのインタビュー調査を本格的に開始する。関連アクターの所在地が各地に点在しているため、効率的に聞き取り調査を行う必要があるが、1度にすべてのアポイントメントをとることも難しいため、海外調査を何度かに分けて行うことを予定している。
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Causes of Carryover |
物品費の使用が予定よりも小さかったことが理由であるが、それは使用中のノートパソコンをそのまま使用し新規購入をしなかったからである。代わりに旅費としての使用が若干、予定を上回った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外でのインタビュー調査を複数回に分けて行う予定であるため、計画している旅費に上乗せして使用する予定である。
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Research Products
(2 results)