2015 Fiscal Year Research-status Report
国際組織・国家・私的アクターによるソフト・ガバナンス-バイオエネルギーを例に-
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26380059
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内記 香子 大阪大学, 国際公共政策研究科, 准教授 (90313064)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | プライベート・レジーム / 公私パートナーシップ / EU / バイオエネルギー / 認証制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は2つのことを行った。まず海外調査をいくつか実施し、本研究に関するプライベート・レジームの最先端の状況や、EUを中心とした学界の関心や理論動向について海外の研究者と意見交換を行った。とりわけ、バイオエネルギーの利用におけるサスティナビリティ(持続可能性)について、現在ある持続可能性指標をさらに外部から評価するという動向がみられることについて調査を行った。バイオエネルギーについては、EUによる規制を受けて、複数の既存の持続可能性指標が存在するが、それが逆に混乱をもたらし、さらには持続可能性のレベルを下げるのではないか、という懸念がある。それに対する対処として、持続可能性指標をさらに外部から評価するという動きが出ているものと思われ、その動向を理論的にどのように理解して整理するかについても、海外の研究者と意見交換を行った。 第2に、研究の成果の公表に集中した。その一つとして、昨年度に英文ジャーナルEuropean Journal of International Law (Oxford University Press)に投稿した論文 "Trade and Bioenergy: Explaining and Assessing the Regime Complex for Sustainable Bioenergy"が、本年度になってからレフェリーコメントが返ってきたため、それに対応し、再提出したところ、受理され、2016年2月号に刊行された。これによって、最終年度の終了前に本研究の主要な研究成果を公表することができた。また本研究について、国際関係論系の学会や研究会で報告する機会を得て、国際関係論の研究者と意見交換をすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
最終年度前に英文ジャーナル European Journal of International Law に論文が受理・公表されたことで、当初の計画以上に進展していると言える。また海外調査により、プライベート・レジームに直接インタビュー調査をすることができたり、海外の研究者と意見交換する機会を得て、研究を深めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
英文ジャーナルに論文が受理されたことで、一つ主要な成果が公表ができたので、最終年度は、より多様な研究会で研究報告を行い、成果を普及させていく予定である。また将来、研究を発展させるために、バイオエネルギーに関するEUやプライベート・レジームの最新の動きを海外調査で可能な限り追っていきたい。
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Causes of Carryover |
概ね順調に使用したが、若干の未使用額が生じてしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未使用額は、28年度の使用額とあわせて、研究報告発表のための旅費に使用する予定である。
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