2015 Fiscal Year Research-status Report
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26380077
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水島 郁子 大阪大学, 高等司法研究科, 教授 (90299123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 眞弘 名古屋学院大学, 法学部, 教授 (20108781)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中小企業 / 労働法 / 会社法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中小企業経営者の判断が問題となる種々の場面につき、労働法と会社法の立場から法的問題を指摘しつつ、対話をすることを内容とする。本研究では、旧科研(中小企業における親族間事業承継にかかる労働法・会社法・家族法からの分析)で立ち上げた研究会を継続しているが、本年度は弁護士や社会保険労務士等の実務家に多く参加いただき、実務的かつ総合的な観点からの議論と検討を行った。 第16回研究会(4月11日)は、会社法研究者が労働法のテーマでもある「法人格否認・偽装解散法理」を報告した。労働法研究者が判例報告を1本行った。第17回研究会(7月4日)は、第16回研究会の判例報告での対話を受け、応答する報告を弁護士が行った。ほかに、弁護士(労働法)が判例報告を1本行った。第18回研究会(9月26日)は、第17回研究会の判例報告を受けて、会社法研究者が会社法の立場から検討を行った。第19回研究会(11月28日)は、弁護士が労働法と会社法の交錯領域の判例報告を行った。社会保険労務士が労働行政実務を報告した。第20回研究会(1月30日)は、第19回研究会の判例報告における対話を受け、研究代表者が「障害者に対する合理的配慮」について報告した。弁護士が「営業秘密の保護と競業避止・秘密保持契約」について報告した。第21回研究会(3月5日)は、第20回研究会の研究代表者の報告を受け、弁護士が「障害者差別解消法の概要」を報告した。研究分担者が「事業譲渡と譲渡会社の債権者・債務者の保護」について報告した。 このように、研究会での報告の多くは次の研究会に対話を促すものとなっている。多様な報告者と参加者により活発な対話がなされ、多くの示唆を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究会を定期的に開催し(前年度より1回増)、労働法研究者と会社法研究者、また、大学教員と実務家の間で、活発に検討・分析を行っている。研究代表者と研究分担者は、研究会でそれぞれ1回、報告した。研究代表者は、前年度の研究会報告に関連する学会報告を行った。研究代表者・研究分担者ともに、論文等の公表を持続している。 なお、研究代表者の校務が9月以降著しく多忙となり、海外出張を実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
中小企業マネジメントの視点を意識して、労働法、会社法のそれぞれの立場から、法的問題の整理と検討・分析を引き続き行う。 研究会は引き続き実施する。第22回研究会(5月21日)は、弁護士と労働法研究者が報告予定である。 最終報告書に向け、理論的、比較法的検討に着手する。
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Causes of Carryover |
研究代表者の校務が一時的に多忙となり、海外出張日程を確保できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年9月に海外出張日程を確保した。これにより、平成27年度分の残額相当を使用する。
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Research Products
(6 results)