2014 Fiscal Year Research-status Report
刑事司法における再犯リスク概念の明確化と評価方法の適正化に関する比較法的研究
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26380099
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
森久 智江 立命館大学, 法学部, 准教授 (40507969)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | リスク評価/管理 / 国際研究者交流 / 社会復帰 / 当事者支援 / 再犯リスク / 司法福祉 / オーストラリア |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度前期は、昨年度後期に引き続き、メルボルン大学を拠点に在外研究中であったため、オーストラリア国内での調査を中心に実施した。ビクトリア州における司法障がい福祉におけるリスクアセスメント/マネジメントの現状調査を継続するとともに、今後のメルボルン大学との研究連携に向けて、日本から関連分野の研究者を招聘し、調査に同行する等、帰国後の研究に向けた準備も行った。また、ビクトリア州以外に北部準州の先住民族を対象としたコミュニティ裁判所におけるリスクアセスメントに関する調査も実施した。 同年度後期は、在外研究を終え、日本帰国後に在外研究中の成果公表も兼ねて、京都弁護士会主催シンポジウム、学際的連携研究班によるシンポジウム、障がい者福祉の研究事業を行う国立のぞみの園主催のシンポジウム等、様々な研究会・シンポジウム等での登壇の機会を得た。 さらに、2014年12月には、島根あさひ社会復帰促進センター内のTCユニットにおいて、当事者によるリスクアセスメント/マネジメントの現状につき、法学部学生も交えたディスカッションを行った。犯罪学的知見を一定有する一般人(学生)と、犯罪行為者としての当事者の間に、リスク認識に対してどのような差異があるのか、その点を検討する上で非常に有益なグループワークであった。 また、2015年2月には留学先のメルボルン大学から、リスクアセスメント/マネジメントと裁判時のサポートについて専門とする研究者2名を招聘して、京都でシンポジウムを開催し、今後の日本の司法と福祉の連携のあり方について検討していく上での重要な示唆を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オーストラリアからの招聘者を交えた、日本でのシンポジウム開催は、27年度以降を予定していたが、先方から、共同研究のスキームを予定よりもやや拡大したいという提案を受け、27年度にオーストラリアでの学会報告を行うため、それに先立って日本での開催を決定した。 そのため、本来中心的に行う予定であった、文献検討や、段階的な成果公表が若干遅れているものの、全体としては概ね良好に進展しているものと評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度は、昨年度の在外研究後に必ずしも十分に行うことができなかった、公刊物による成果公表を進めていきたい。 同時に、メルボルン大学との研究連携を進める上で、今秋にメルボルンでの研究公表の場を設定することを検討している。具体的には、犯罪をした人の社会復帰支援を行う民間団体ACSO主催の、研究者・実務家によるカンファレンスにおいて、日豪比較による司法福祉の今後に関する検討を行う予定である。
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[Presentation] 修復と回復―対人支援の新しい問題2015
Author(s)
森久智江
Organizer
「対人支援における大学と社会実践の連携を展望する」,「インクルーシブ社会に向けた支援の〈学=実〉連環型研究」プロジェクト公開研究会
Place of Presentation
立命館大学法学部衣笠キャンパス創思館カンファレンスルーム(京都府京都市)
Year and Date
2015-01-17
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