2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the Crimes Committed by Politicians
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26380101
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
鮎川 潤 関西学院大学, 法学部, 教授 (90148784)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 政治家 / 犯罪 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の成果は、平成29年3月に刊行した単著『新しい視点で考える犯罪と刑事政策――国際的・比較文化的アプローチ』(昭和堂)の第6章「司法――政治家の犯罪を中心として」において公表した。 長文の54頁にわたるこの章では、世界の政治家の犯罪について鳥瞰し、アメリカ合衆国の政治家による汚職と、アフリカにおける政治家の人権に係わる犯罪について検討を加えた。日本の政治家の犯罪に関する考察も行い、選挙をはじめとする制度の相違点、選挙違反を構成する行為の違いや、政治家の犯罪への社会的対応の違い、政治家の犯罪を取り締まる法制度の相違等についても考慮して、政治家の犯罪に関して、事例の考察をまじえて包括的な検討を行った。 民主主義の根幹にかかわる選挙とその制度の違いを踏まえ、人権侵害を含めて世界的な視点から総合的に政治家の犯罪を検討したことは、国際化する日本および世界の現在の状況と趨勢にふさわしい重要な意義を持っているといえよう。なお、英語論文の成果としては、人権に係わる犯罪や問題に焦点を当て、米国の雑誌 (Qualitative Sociology Review, Vol.11, No.2)において平成27年度に公表した。 本研究の計画書に記載したアフリカにおける政治家の犯罪についての現地調査は、最終的に本科研費から費用を支出するには至らなかったが、平成28年度にケニアにおいて政治家の犯罪について弁護士などから聞き取りを行った。現地においては、公務員の間にいかに汚職が蔓延しているかについて貴重な観察をすることもできた。平成28年度は、国際刑事裁判所と国連ジュネーブ本部図書館において情報と資料を入手したが、それらについても上記の日本語の書籍に盛り込んで検討を行った。
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Research Products
(1 results)