2014 Fiscal Year Research-status Report
財産管理制度が関わる遺産の承継における情報をめぐる民事法的規律のあり方
Project/Area Number |
26380119
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岩藤 美智子 岡山大学, 法務研究科, 教授 (70324564)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 遺言代替 |
Outline of Annual Research Achievements |
ドイツ民法典(BGB)における情報開示義務に関する豊富な明文規定の状況を調査した。また、信義則に基づいて、一般的な情報開示義務を基礎づける裁判例を分析し、情報秘匿利益としてあげられる、営業秘密、守秘義務、プライバシー、刑事訴追可能性それぞれについて、情報取得利益との具体的な衡量のあり方を調査・分析した。 アメリカ法における遺言と遺言代替制度(生命保険:life insurance、年金口座pension accounts、多数当事者銀行預金口座:multiple-party bank account、撤回可能生前信託:revocable inter vivos trust、合有財産権:joint tenancyなど)について制度の概要、遺留分(選択的相続分:elective share)との関係、被相続人・権利者の死亡と権利承継者の実質的な権利承継のタイミング、情報開示をめぐる規律を調査・検討した。とりわけ、撤回可能信託が、委任者の死亡により撤回不可能となった場合に、受託者は、受益者や委託者の相続人に対して、信託条項の完全なコピイを提供しなければならないとするCalifornia Probate Code 16061.5について詳細に検討した。 戦略的情報不開示による非効率を会費するために、自発的情報開示を前提とする特約による回避の対象としての任意規定(ペナルティー・デフォルト)という考え方について、調査した。 研究成果の取りまとめを行い、研究会において口頭報告を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおりに、調査検討を行い、中間的取りまとめの口頭報告も行うことができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究成果の中間取りまとめを行うとともに、ドイツ法とアメリカ法について、さらに研究を進める。
|
Causes of Carryover |
相手方研究者の都合により、予定していた海外出張を行うことができなかったことと、購入する予定の洋書の出版が遅延し、購入することができなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
相手方研究者の都合がつき次第、海外出張を行うとともに、購入予定の洋書は、出版され次第購入する。
|