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2016 Fiscal Year Annual Research Report

A Comparative Study on the Priority Rights without Ownership

Research Project

Project/Area Number 26380127
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

水津 太郎  慶應義塾大学, 法学部(三田), 准教授 (00433730)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords代償的取戻権 / 価値追跡
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、価値追跡論に関する研究をすすめた。
第1に、通史的考察として、ヴィルブルク・ベール後の価値追跡論の展開を跡づけた。オーストリアでは、コツィオールやF・ビドリンスキーといった代表的な研究者が、ヴィルブルクの学説を承継したため、価値追跡論は、現在ではよく知られた有力説となっている。近時では、価値追跡の射程範囲を検討した、ボレンベルガーの博士論文があらわれている。これに対し、ドイツでは、ベールの研究が公刊された後も、価値追跡論に対する評価は低かった。もっとも、シュタドラーやブレームのように、この構想を受け継ぐ者がなかったわけではない。さらに、近時では、価値追跡の構想を高く評価したうえで、その限界づけについて考察をくわえた、アイスマンの博士論文が注目を集めている。日本においては、ベールの研究を紹介・検討した松岡が、その後も自身の構想を展開しているほか、直井や安達のように、ベール・松岡の着想を引き継ぐものがあらわれている。
第2に、理論研究として、次の問題を取り上げた。まず、価値追跡の要件として検討をくわえたのは、①価値追跡者の範囲、とりわけ、労務や役務を提供した者も価値追跡者に含まれるか否か、②信用付与の意思の欠如の要件について、その構成や内容をどのように捉えるか、③特定性・識別可能性の要件との関係で、とりわけ誤振込のケースをどのように解決するか、④価値追跡の相手方に資力があるときにも、なお価値追跡を認めるべきか否か、といった問題である。次に、効果については、価値追跡者に優先権を付与するための構成、具体的には、取戻権に依拠する試みと、先取特権を応用する試みを検討した。最後に、基礎的な問題として、価値追跡論と債権者平等原則・特権の思想との関係をそれぞれ整序するとともに、価値追跡の考え方は解釈論としてなりたちうるものなのか、それとも立法論にとどまるのかについて考察をくわえた。

  • Research Products

    (8 results)

All 2017 2016

All Journal Article (5 results) (of which Acknowledgement Compliant: 2 results,  Open Access: 1 results) Book (3 results)

  • [Journal Article] 平成16年不動産登記法と民法学―登記原因証明情報をめぐって2017

    • Author(s)
      水津太郎
    • Journal Title

      ジュリスト

      Volume: 1502 Pages: 34-39

  • [Journal Article] 財貨帰属と代位法理(下)2016

    • Author(s)
      水津太郎
    • Journal Title

      法律時報

      Volume: 88/12 Pages: 131-136

    • Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] 財貨帰属と代位法理(上)2016

    • Author(s)
      水津太郎
    • Journal Title

      法律時報

      Volume: 88/11 Pages: 112-117

    • Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] ゲオルク・ボルゲス著「『ペッパー』と法―新たな情報技術に対応する法改正は必要か2016

    • Author(s)
      水津太郎訳
    • Journal Title

      法学研究

      Volume: 89/7 Pages: 57-86

    • Open Access
  • [Journal Article] 保全土地債務における土地所有者の抗弁権の拡張―海外金融法の動向(ドイツ)2016

    • Author(s)
      水津太郎
    • Journal Title

      金融法研究

      Volume: 32 Pages: 139-153

  • [Book] ドイツ物権法2016

    • Author(s)
      水津太郎訳/マンフレート・ヴォルフ=マリーナ・ヴェレンホーファー著、大場浩之=鳥山泰志=根本尚徳訳
    • Total Pages
      708 (1-37, 143-175, 179-256)
    • Publisher
      成文堂
  • [Book] 憲法学のゆくえ―諸法との対話で切り拓く新たな地平2016

    • Author(s)
      水津太郎/宍戸常寿=曽我部真裕=山本龍彦編
    • Total Pages
      532 (210-227)
    • Publisher
      日本評論社
  • [Book] 三角・多角取引と民法法理の深化2016

    • Author(s)
      水津太郎/椿寿夫編
    • Total Pages
      259 (195-205)
    • Publisher
      商事法務

URL: 

Published: 2018-01-16  

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