2017 Fiscal Year Annual Research Report
A research on the "AMIRAUTE" under french Ordonnance de la Marine 1681
Project/Area Number |
26380135
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
箱井 崇史 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (60247202)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アミロテ / 海事王令 / ルイ14世 / 海事裁判所 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1681年のルイ14世による海事王令の第1編に規定され、同王令の全編にわたりその役割等が規定されている「アミロテ」組織の形成と機能を解明しようとしたものである。本研究では、まずアミロテの長である「アミラル(提督)」から研究に着手した。ここではフランス提督の沿革と中断期、再開期からアミロテの廃止までを概観し、すでに1681年の海事王令の下では、まったくの名目的な役職に過ぎなくなっていた実像を明らかにすることができた。 次いで、アミロテの組織と役割について、海事総裁判所・海事個別裁判所について、パリ司法宮の大理石卓、また海事裁判所と高等法院との関係について検討し、その関係性を知ることができた。あわせて、例外裁判所としてのアミロテについて、民事および刑事の管轄を、海事王令規定を基礎としつつ、その他の資料と共に解明した。とりわけ、アミロテを「海事裁判所」と試訳してきたこととの関係で、海事行政機関としての役割との関係に着目した研究を進めた。その後、フランス革命によるアミロテの廃止と廃止後の海事裁判の事情について研究する予定であったが、今回はここまでの研究には至らなかった。 1681年のフランス海事王令(全5編、713か条)については、すでに拙訳を発表しているところ、アミロテそのものの研究がわが国で皆無であったことから存在した問題を解決し、より正確な再訳に向けた重要な情報を数多く入手することができたのが最大の成果であるといえる。 【付記】本研究については、2014年4月から開始したところ、私の専攻する「海商法」について、115年ぶりの改正作業が同時に開始し、私も法制審議会幹事として立法作業と関連の研究に忙殺されることになるという、申請時に予想できない特殊な状況となった。その後、今日まで、改正関係の研究および論文等の発表を優先せざるを得ず、成果そのものの公表はしばらく困難である。
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