2014 Fiscal Year Research-status Report
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26380160
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿南 友亮 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (50365003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 真 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 准教授 (20316681)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中国革命 / 中国内戦 / 国際情報交換(米国、中国、台湾) / 軍隊 / 地域社会 / 動員 / 江西 / 福建 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の研究計画では、平成26年度の研究作業の主眼は以下の2点に置かれている。1.中国内戦に関する定説の見直しに寄与する資料を発掘する。2.海外で中国内戦・中国革命の研究に取り組んでいる研究者との連絡を確立し、国際連携に向けた意見交換をおこなう。 1に関していえば、研究代表者の阿南は、米国のハーバード・イェンチン研究所において内戦期の中国共産党ならびに中国国民党に関する資料の調査をおこなった。研究分担者の山本は、台湾の国史館において同様の調査をおこなった。 2に関していえば、阿南は、ハーバード・イェンチン研究所において"The Chinese Revolution and Military Mobilization-Reexamining Modern China through Armies and Regional Societies"(「中国革命と軍事動員ー軍隊と地域社会をつうじた近代中国の再検証」)と題する英語報告をおこない、中国内戦・中国革命の再検証を進めるうえでの国際的連携の重要性を訴えた。これをきっかけとして同研究所の仲介により、中国の華東師範大学が主催した国際シンポジウム「中国革命とその歴史的遺産」に参加することとなり、そこで<重新考慮"土地革命戦争">(「土地革命戦争再考」)と題する中国語報告をおこない、中国の研究者に対して連携を呼びかけた。一方、山本は、台湾の中央研究院近代史研究所に所属する研究者(陳耀煌)と研究連携の具体化に関する協議を進めた。また、華東師範大学が主催した国際シンポジウム「明清以来の地方意識と国家アイデンティティー」の場において「1930年代、40年代福建省国民政府の統治と地域社会」という内容の中国語報告をおこない、中国側参加者との連携の可能性を探った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、国際的な連携に向けた取り組みが具体化するのは、平成27年度以降と想定されていた。しかし、実際には平成26年度末までに、米国、中国、台湾の複数の研究者と共同研究・研究連携について具体的な意見交換をおこない、本研究の課題とも密接にかかわる国際ワークショップに参加して、そこでさらに多くの研究者と中国内戦・中国革命の再検証に関する情報交換と連携に向けた意見交換をおこなうことができた。これは、ペースという点でも、規模という点でも、当初の予想を上回る展開であった。 また、当初の計画では、平成28年度に研究成果の発表をおこなう予定であったが、結果的に平成26年度中に阿南は米国で一回、中国で一回、山本は中国で一回、それぞれ報告をおこない、本研究の成果、進捗状況、今後の方向性について紹介した。これらの報告で示された内容は、あくまで本研究で想定されている最終的な成果の一部に過ぎないが、本研究の存在意義を海外に向けて積極的にアピールし、それを国際連携に向けた取り組みに結びつけることが出来たことは、当初の想定以上の成果であったといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
阿南と山本は、今後資料調査の範囲を拡げるとともに、これまでの資料調査から得られた材料に基づき、学術論文の執筆に向けた準備を推進する。 また、両者は、これまで参加した国際ワークショップなどで連絡を確立した海外の研究者との意見交換や調整を進め、平成28年度に日本で開催することを予定している国際ワークショップの構想を具体化させる。
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Causes of Carryover |
本年度は、当初の予定にはなかった海外(米国・中国)の研究機関からの招聘という機会に恵まれ、その機会を活用して海外での研究活動を展開することが可能となったため、平成26年度の研究計画よりも旅費の支出が低い額に留まった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
すでに研究協力者(防衛研究所主任研究官の岩谷將)が次年度(平成27年度)の5月に米国で資料調査をおこなう手筈が整っており、その費用(旅費など)および研究代表者の海外での資料調査に充当する計画である。
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Research Products
(4 results)