2015 Fiscal Year Research-status Report
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26380160
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿南 友亮 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (50365003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 真 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 准教授 (20316681)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中国政治史 / 中国革命 / 中国内戦 / 地域社会 / 動員 / 社会変革 / 軍隊 / 国際連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトの研究計画に基づけば、平成27年度は、(1)資料調査の継続、(2)国内外の研究者に向けた情報発信と連携体制の形成、(3)研究成果の中間報告会を兼ねたワークショップの実施の三点に活動の主眼を置くこととなっていた。以下において項目ごとに活動実績を紹介する。 (1)代表者の阿南と研究協力者の岩谷は、米国のハーバード・イェンチン研究所、フーバー研究所、カルフォルニア大学バークレー校東アジア図書館における資料調査を実施した。分担者の山本は、英国のナショナルアーカイヴ、ロンドン大学オリエントアジア学院、オックスフォード大学図書館における資料調査を実施した。 (2)阿南は、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスにおいて開催されたワークショップにおいて" Communist Armies and Regional Societies During the Chinese Civil War: Challenging the Myth of Social Reform and Military Mobilization"(「中国内戦における共産党軍と地域社会ー社会変革と軍事動員に関する神話の見直し」)と題する報告をおこない、本研究プロジェクトの研究成果を紹介しつつ、英国の中国研究者と学術交流をおこない、国際共同研究の立ち上げについて検討した。山本は、上智大学で開催されたワークショップにおいて「民国時期から人民共和国初期にかけての宗族と国家――福建省の事例から」と題する報告をおこなった。また、本研究プロジェクトの研究成果の一部を論文(「日中戦争時期、福建省における戦時総動員と地域社会」、『史学』(慶應義塾大学三田史学会)84巻1-4合併号、2015年)として発表した。 (3)本研究プロジェクトと問題意識を共有する台湾の中央研究院近代史研究所の陳耀煌氏を招聘して、研究成果の中間報告会を兼ねたワークショップを東北大学において実施し、来年度のアジア政経学会の分科会で実施予定の最終成果報告の段取りなどについて相談をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、米国および英国の複数の研究機関において、これまで充分活用されてきたとはいえない資料について調査し、研究を発展させるための貴重な材料を豊富に入手した。また、そうした資料の分析を進めつつ、同じような研究テーマに従事している国内外の他の研究者との情報交換を活発におこなった。これまでの研究成果については、二つの学術報告と一本の論文をつうじて社会に発信した。また、本研究プロジェクト主催のワークショップも開催し、国外の研究者を招聘して本研究プロジェクトの研究課題に関する議論を深めると同時に、来年度実施する予定である研究成果の最終報告会の準備計画を立案した。 以上のような点に鑑み、本研究プロジェクトは、おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究プロジェクトは、来年度が最終年度となるので、今後は研究成果の発表に向けた準備をさらに本格化させる予定である。具体的には、来年度のアジア政経学会の場で、本研究プロジェクトの代表者、分担者、そしてこれまでの活動を通じて連携を強めてきた国内外の研究者が参加する形で中国内戦における「土地革命」の作用について包括的な検証をおこなうための準備をすすめる予定である。また、分担者の山本は本研究プロジェクトの研究成果を反映させた研究書の出版に向けた作業を進める予定である。
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Causes of Carryover |
基金化により予算の柔軟な運用が可能になったことに鑑み、最終年度の研究成果報告の場に海外の研究者を招聘するために必要となる経費を多めに確保することを目的として、一定の金額を次年度に回すこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果報告を兼ねた学会の分科会に海外から1、2名の研究者を招聘することに使用する予定である。
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Research Products
(5 results)