2015 Fiscal Year Research-status Report
連合王国における短期・長期の要因にもとづく投票行動の変動
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26380170
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
成廣 孝 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (90335571)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | イギリス / スコットランド / 選挙 / 自由民主党 / SNP |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度においては,研究課題に関する文献資料および分析上必要なスコットランド地域議会選挙および2015年度イギリス総選挙の世論調査データの収集を進めた. 文献資料の利用に関しては先行研究についてその概要を把握するとともに,研究の問題設定について微修正とよりいっそうの明確化を行うことに努めた.本研究の焦点はイギリス全体の話ではあるが、2016年度に各地域議会レベルの選挙、そしてEU離脱を問うレファレンダムの実施が予定されているからである。総選挙データについては,質問票の詳細な検討を行うとともに,変数の値の分布についての記述的把握および,変数の結合・改編など本格的な統計分析・モデル構築を行うにあたっての前段階としての作業を終えた.これらと選挙区アグリゲート・データを整備したことにより、分析・報告の準備が整ったといえる.公表の前段階であるが,これまでに行った分析においては,スコットランドの有権者レベルにおいて,スコットランド政治をイギリス政治と区別して考えて投票行動に反映させる傾向が強まりつつあることが確認されているということ、そして、特にこれらの地域でこれまで一定の地盤を有していた労働党や自由民主党にダメージを与えることで、スコットランドにとどまらないイギリス全土の政治状況への強い影響を及ぼしていることがわかった。この傾向は今後も強まるであろう。 また、いずれの分析についても、現在政治学で主流となりつつある方法(ベイジアンなど)での統計解析をすすめるため、方法論的な検討も進めている。 ただし、2年目の後半に公開された2015年イギリス総選挙データについては十分な検討の時間がなく,初年度の後半において体調を崩して入院したことの影響もあり、論文の執筆および投稿・掲載にはやや時間が足りなかったのは反省点である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該研究の2年目の後半終わり頃になってやっとある程度クリーンなデータが公開された2015年イギリス総選挙データについては十分な検討の時間がなく,初年度の後半において体調を崩して入院したことの影響もあり、論文の執筆および投稿・掲載にはやや時間が足りなかった。また、別の研究仲間とともに、この研究課題決定以前から予定されていた、別のテーマでの出版準備に追われていることも、計画上の反省点である。
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Strategy for Future Research Activity |
特に計画の必要はないと思われるが、平行して進行中の出版企画については早めに片を付けて、今後は本研究により集中し、作業ペースを早める必要があろう。
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Causes of Carryover |
当該年度の作業に関して必要な書籍・物品等について、他の研究にも応用が可能なものについて、中期計画年度の終了にあわせて使い切らねばならない運営費交付金からの個人研究費を充当することができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
全体の使用計画に大きな狂いはないので、最終年度に使用できると思われる。
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