2016 Fiscal Year Research-status Report
連合王国における短期・長期の要因にもとづく投票行動の変動
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26380170
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
成廣 孝 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (90335571)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | イギリス / EU / 選挙 / 政党政治 / Brexit |
Outline of Annual Research Achievements |
イギリス選挙調査(British Election Study)が開始されて以降のデータおよび、イギリス社会的態度(British Social Attitudes)データ、欧州議会選挙データ(European Election Survey)、世界価値観調査(World Value Survey)データ、ヨーロッパ社会調査(European Social Suevey)データ、国際社会調査プログラム(International Social Survey Program)データ等の国際比較調査データを用いて長期のイギリス政治・社会の変動を時系列で跡付け、近年のイギリスの政治的変動をその中に位置付けるのが本研究の目的である。 データ収集と必要な統計アプリケーションの整備、データの時系列的特徴の検討についてはある程度進捗をみたといえる。しかし、本年度は2015年BESデータのクリーニング公開を待っている間に、イギリスで2016年EU残留・離脱を問うレフェレンダムが実施され、このデータが逸早くBESデータの延長(パネル)データとして先行公開されたため、社会的にインパクトもあるタイムリーなテーマを優先させることにし、その成果を公表した。その準備過程で、社会的ニーズに応えることで、科学研究の社会的還元という点での貢献ができたと考えられるとともに、本研究の文脈においてもBrexitという事件が、長期的にもみてもイギリス政治・社会の長期的変動の一つの通過点を示すものだったことがわかったことは収穫であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの進捗状況に記した通り、初年度の2014年に体調を著しく崩したため、初年度・次年度において十分な進展がみられなかったことが影響している。また、今年度は研究実績の概要にも書いたように、イギリスにおいて当初の計画段階では予想していなかった社会的インパクトの大きい政治的事件が発生し、専門家としていくつかの社会的要求に応えざるをえなかったこと、それが長期的にもみてもイギリス政治・社会の長期的変動の到達点を示すものだったことが明らかになってきたことから、そちらの公表を優先してしまい、本研究で予定していた到達点に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の到達点に、今年度に得た知見を加えて、その観点からこれまで本研究課題に関して蓄積してきたものを整序し直すことで当初よりもオリジナリティのある研究になるであろうと考えている。できれば英語論文として執筆したい。また、体調維持にも留意する。
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Causes of Carryover |
初年度から体調の悪化により研究の遅れが出ているためおり、成果公表のために若干の旅費や文房具代、関連する書籍の購入等に使用するため、延長年度に残したいと考えた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
成果公表のための若干の旅費と文房具代、関連書籍購入のために使用する。
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