2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26380171
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
金 宗郁 香川大学, 法学部, 准教授 (70458933)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 市民参加 / 参加型予算制度 / 地域コミュニティ協議会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本と韓国の自治体における行政職員と市民に対するアンケート・ヒアリング調査を通じて成功的市民参加の制度的要件を明らかにすることである。 今年度では、研究の目的と実施計画に基づき、日本と韓国の自治体に対するヒアリング調査を行った。日本においては、高松市とさぬき市の職員に対するヒアリング調査を行った。また、平成15年度から地域コミュニティ協議会を運営している高松市では、各コミュニティ協議会(44地区の会長、事務局長、関係団体の代表者)に対してアンケート調査を行い、協議会運営の現状、構成団体との関係、行政との関係等に関わるデータが得られた。高松市に対する調査は、現在、「地域コミュニティ協議会の現状と課題」という内容で執筆中である。 一方、韓国においては参加型予算制度を実施している自治体(光州市北区、蔚山市東区、論山市)の職員と参加市民に対するヒアリング調査を行った。コミュニティ自治という視点が強調される日本の参加制度と違って、韓国の参加型予算制度は予算というものを媒介して透明な行政活動のみならず市民参加の実効性を高めようと試みである。これに関して行政職員だけでなく、市民団体の関係者と参加市民に対するヒアリング調査を通して現状と課題を把握しており、これからのアンケート調査設計においても貴重な資料となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度において当初の実施計画は、参加型予算制度の実施自治体に対するアンケート調査と、次年度のアンケート調査に向けてヒアリング調査による質問項目の確定である。しかし、予算上の制約により、実施自治体に対する調査に代えて以前の調査したデータ(2011年度アンケート調査「政治改革と選挙過程に関する国際比較」)を用いることにした。このデータを通じてこれからの調査対象の自治体を選定し、行政職員と関係市民に対するアンケート調査を行うことにする。次年度のアンケート調査内容に関しては、数回の現地調査を通して概ね確定しており、高松市の場合、既に協議会の関係市民に対する調査を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、まず、次年度において日本と韓国の自治体職員、関係市民に対するアンケート調査を完了することである。現在、いくつかの自治体を絞り検討を行っているが、当初の研究計画で示された類型化が困難な状況である。理由としては、参加型予算制度としても、日本と韓国において導入の主な目的が異なっている点、また各国の自治体間の差もそれほど見られないことが挙げられる。したがって、自治体間における類型化を通した比較分析というより、異なる導入目的と制度の仕組みによる国家間の比較分析を中心にした上で、市民参加の効果、参加制度の有効性などについて検討していくのが、本研究の趣旨に適合すると判断する。そこで、行政職員と市民に対する調査データを充実にしながら、市民参加の成功要因について一般化を高めていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画では、参加型予算制度を実施している自治体に対するアンケート調査を行う予定であるが、予算上の制約により、実施自治体に対する調査に代えて以前の調査したデータ(2011年度アンケート調査「政治改革と選挙過程に関する国際比較」)を用いることにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度において生じた次年度使用額について、次年度に予定されている自治体職員と住民のアンケート調査に使用する予定である。
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