2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26380184
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
清水 唯一朗 慶應義塾大学, 総合政策学部, 准教授 (70361673)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本政治 / 選挙区 / 区割り / 地方政治 / 地域社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年計画の1年目となる2014年度は、研究代表者がハーバード大学ライシャワー日本研究所において在外研究期間を得ることとなったため、当該年度の目標としていた1890(明治23)年~1925(大正14)年の選挙区データ作成を進めるとともに、選挙区策定の比較歴史制度分析を米国の制度を対象に進めた。また研究者のこれまでの研究成果を同地で行われる国際学会・カンファレンスで報告することにより、比較の視座を広げることに努めた。 選挙区データ作成にあたっては、新たに末木孝典氏によって見出された三条実美関係文書中の枢密院審議資料付表も検討材料として用いることとした。枢密院審議では選挙区割りをしめした付表は示されておらず、実際の審議は選挙区割りを省略して行われているが、そうしたなかであってもこの資料の存在は大きい。2014年度はこの資料と研究代表者が従来から分析対象としてきた資料の比較検討にその多くの時間を当てることとなった。これらの成果は2015年5月に開催される日本選挙学会研究会で報告の予定である。 史料的な充実もあり、研究そのものの深化は順調に進んでいる。他方で、当初予定していたGISを用いた展開は、GISに関する研究補助を行ってくれる環境(慶應義塾大学SFC)から遠く離れたことにより難しく、2014年度はGIS関係の進捗は見送った。 また、選挙区と代表の表象空間として議会の議場構造にも検討の範囲を広げて研究を進めた。とりわけ英米豪の研究者からこのテーマに対する深い関心が示され、Visualizing Historyや政治空間研究との連続性も強く感じることができた。 この成果を踏まえ、2015年は、予定していた1925年以降のデータ作成に加え、GISを用いた分析をしっかりと進捗させていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要で論じたとおり、データ構築、資料面、比較制度分析の視座の点については、在外研究でなければ得られない成果が大いにあり、計画面から見ても予定していた以上の進捗があった。 他方、在外研究中であったことにより、当初は所属キャンパスの他分野研究者から受ける予定であったサポートを受けることが難しくなり、とりわけGISを用いたデータ分析の部分の進捗を翌年度に委ねざるを得なかった。2014年3月で在外研究を終えて帰国し、環境は従来のものに戻ったので、2015年度にこの部分のキャッチアップを積極的に進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
予定していた学会報告も受理され、資料収集、分析、研究の方法が整ってきており、2年次以降もおおむね予定通りの進捗となることが見込まれる。課題となるのは1年目に手つかずであったGISを用いた分析であるが、こちらもすでにデータはできているので、所属キャンパスにある専門家のサポートを受けながら分析を進めていく。
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Causes of Carryover |
在外研究中であったため、研究補助者への謝金が予定を下回ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度に依頼する予定であった研究補助作業を行うため、その費用に充当したい。
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Research Products
(6 results)