2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26380188
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
加藤 哲郎 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30115547)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シベリア抑留 / 占領 / 米軍CIC / G2歴史課 / G2地理課 / プロジェクト・スティッチ / プロジェクト・リンガー / 情報戦 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、これまでの米国国立公文書館での収集資料(米国陸軍プロジェクト・スティッチ、米国空軍プロジェクト・リンガー)の解読と、懸案だったドイツ連邦公文書館における旧ソ連におけるおけるドイツ人戦争捕虜の記録収集、日本人抑留との比較に取り組んだ。ドイツ出張で得たドイツ人在ソ戦争捕虜の記録はきわめて充実しており、最終29年度のまとめにあたって、重要な意味を持つと思われる。 その他に、米国国立公文書館のシベリア抑留帰還者帰国時米軍尋問記録については、いくつかのワークショップ、講演などで発表し始めた。米国側尋問記録から、米国陸軍プロジェクト・スティッチでは、(1)シベリア抑留『日本新聞』、民主運動などで共産主義に近づいた抑留者のみならず、(2)陸軍参謀将校や士官学校卒業者などの幹部クラス、(3)特務機関員・憲兵隊員、(4)無電技師・技術者、暗号解読者、それに(5)東京外語・ハルビン学院卒業生などロシア語ができて通訳として使われた者は、ほとんど「PSA(潜在的ソ連協力者)」とされていることを見出した。また米国空軍プロジェクト・リンガーは、第3次世界大戦を想定した米国対ソ戦略爆撃目標のための地理情報中心のため、西ドイツでNATO軍によって集められたドイツ人在ソ戦争捕虜帰還尋問記録と調査項目・書式・尋問内容がきわめて近いことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画以上に進展しており、最終年度である29年度は、これまでの成果を整理し、まとめた上で、書き下ろしの書物の一部として発表できる見通しがついた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度なので、これまでの研究成果を整理し、まとめた上で、書き下ろしの書物の一部として発表する。すでに出版社との話し合いが行われており、原稿執筆にとりかかる予定である。
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Causes of Carryover |
消耗品購入における端数の小さな金額が次年度使用額になった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度分に組み込まれ、消耗品の購入にあてられる予定である。
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Research Products
(3 results)