2015 Fiscal Year Research-status Report
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26380192
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| Research Institution | Nanzan University |
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Principal Investigator |
山岸 敬和 南山大学, 外国語学部, 教授 (00454405)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 医療政策 / アメリカ合衆国 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は通称「オバマケア」と呼ばれる患者保護および医療費負担適正化法（以下、オバマ改革）が施行されはじめた後の5年間でどのような医療制度の変化がもたらされ、医療制度をめぐる政治過程がどのように変容してゆくのか、またアメリカ市民に受け入れられていくのかを明らかにすることを目的とし、長期的な歴史的変化の中にオバマ改革を位置づけ、さらにそれがどのような制度的・政治的変化をもたらすのか、という問いに取り組むものである。政治学の理論的枠組みに関する議論においては、新たな政策が生み出す経路依存性（Pierson, Politics in Time, 2004などを参照）をめぐる議論について貢献を果たすことができると考えられる。
本研究においては2年目となる本年度は、昨年に引き続き、ワシントンD.C.、メリーランド州、ヴァージニア州内の医療険取引所の設立および運営に関する執行状況についての調査、特に資料調査とその裏付けのための聞き取り調査を行った。資料調査については、主にジョンズ・ホプキンス大学図書館、ジョージタウン大学図書館を中心に行った。また、オバマケアの執行状況の現在と将来予測される変化について、利害関係者の活動、特にワシントンD.C.の主要シンクタンクの活動に関しては、 American Enterprise Instituteの医療経済学者に、また、2016年の大統領・議会選挙において医療政策がどのように影響を及ぼすのかに関して、ジョンズ・ホプキンス大学等の政治学者に聞き取り調査を実施した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度初回のアメリカ合衆国における現地調査においては、主にジョンズ・ホプキンス大学図書館やジョージタウン大学図書館等での資料調査を行うと同時に、オバマケアの執行状況、そしてその背景で活動する利害関係者の動きについて, American Enterprise InstituteのJoe Antos氏、2016年の大統領選挙において医療制度が及ぼすインパクトについて、ジョンズ・ホプキンス大学のAdam Sheingate准教授に面会し、聞き取り調査を行うことができた。
また、2度目の調査では、オバマケア成立以前の資料調査として、ジョンズ・ホプキンス大学病院の設立をめぐるボルティモア市における政治的な動きに関する資料収集を中心に行った。
データ収集は順調に行われているが、本年度は昨年同様想定以上に必要なデータの収集を行ったため、想定以上の時間を分析に費やすこととなった。しかし、本年は数回の国内外の学会や研究会の発表を通じて、多くの質問や論文執筆のための貴重なアドヴァイスを得る機会も多く得ることができた。特に、年明けのSouthern Political Science Associationにおいて発表を行った際には、内外の研究者より、本研究の発展につながる多くの助言をいただき、今後の著書および論文の執筆について多くのヒントを得ることができたことは大きな収穫であった。また、学術的な学会ではないが、国際問題研究所や東京財団のアメリカ政治、経済、大統領選挙に関するプロジェクトに参加しており、そこでの発表や議論も本研究を進める上で重要な役割を果たしている。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成28年度においては、引き続き前年度収集した資料の分析を行い、同時に、メリーランド州、ヴァージニア州内の医療保険取引所をめぐる政治的争い、および大統領選挙における医療改革の議論を中心とした資料収取を行う予定である。
8月―9月には、ワシントンDC、メリーランド州、ヴァージニア州において、医療保険取引所の運営状況についての調査を行うとともに、今まで収集した資料の裏付けのため、聞き取り調査を行いたい。
10月以降には、論文「（仮）メリーランド州とヴァージニア州の医療保険取引所の執行過程」を執筆し、著書『（仮）オバマケアとアメリカ政治』執筆のための具体的な執筆計画を開始したいと考えている。また、本研究の成果を社会・国民に向けて発信するため、国内外問わず学会発表の機会も昨年度以上に積極的に求めていく予定である。
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