2015 Fiscal Year Research-status Report
ナショナリズム政党による多層ガヴァナンスへの適応に関する比較研究
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26380193
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
力久 昌幸 同志社大学, 法学部, 教授 (90264994)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナショナリズム政党 / 多層ガヴァナンス / スコットランド / ウェールズ / EU国民投票 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,イギリスのスコットランド国民党とウェールズ国民党の事例を取り上げ,多層ガヴァナンスの進展により生じた環境変化に適応するために,両政党が目ざす自治・独立の目標にどのような変化がもたらされたのか,広範な社会経済政策分野の立場に関してどのような変化が見られつつあるのか,イギリスの国政政党との政党間競争のインパクトを視野に入れて検討することを目的としている。 2015年度の研究においては,主として2016年6月23日に予定されているEU国民投票へのスコットランドおよびウェールズのナショナリズム政党(スコットランド国民党,ウェールズ国民党)の対応に焦点をあてて検討を行うために,2016年3月にスコットランドとウェールズを訪問して,両党関係者や他の政党・団体関係者に対して聞き取り調査を行った。また,スコットランドにおいてナショナリズム政党のスコットランド国民党に対抗する保守党の事例を取り上げて,多層ガヴァナンスの進展により生じた環境変化に対して,国政政党である保守党のスコットランド組織がどのような適応を見せたのか検討を行った。さらに,2016年6月23日に実施される,イギリスのEU加盟継続の是非をめぐる国民投票とスコットランド分離独立問題の関連についても検討を行った。 本研究の最終年度となる2016年度には,EU国民投票を実際に現地で観察するために,イギリスを訪問することを予定している。スコットランド国民党やウェールズ国民党,そして,保守党その他のイギリス国政政党の関係者に対して聞き取り調査を行い,ヨーロッパ問題とナショナリズム政党の関係について考察を深め,本研究の完成をめざすことにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度に予定していたスコットランドおよびウェールズにおける研究調査を成功裏に実施することができた。また,本研究に関連する研究書や研究論文についても,前年度に引き続いて順調に集めることができたので,本研究における研究調査を深化させ,最終年度となる2016年度における本研究の完成に向けて,順調な進展が見られたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度にあたる2016年度には,EU国民投票が実施される6月の比較的早い時期に海外研究調査を実施する予定なので,その後の期間については,本研究を完成させるためにじっくりと腰を落ち着けて研究成果を論文の形にまとめていくことにする。
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Causes of Carryover |
年度末に若干の金額が残ったが,年度内に使い切るよりも次年度の文献購入にあてた方がよりよい予算使用であると考えたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ナショナリズム,ショナリズム政党関連研究書の購入に使用する。
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