2014 Fiscal Year Research-status Report
新しいレイシズムとファシズムのアラブ・アフリカ認識:他律的脱植民地化の陥穽
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26380196
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
高橋 進 龍谷大学, 法学部, 教授 (30136577)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 新しいレイシズム / ファシズム / アフリカ・アラブ認識 / 北部同盟 / 他律的脱植民地化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ファシズム時代の政権側のアフリカ・アラブ認識と政策に関する基本的な文献の収集を行った。イタリア人一般のアフリカ・アラブリカ認識についての研究書を若干集めた。この分野の研究や資料はまだ少なく、アフリカ・アラブ戦争からの帰還者や植民地時代の入植者の記録と研究書をもう少し収集する必要がある。 また、ローマの国立中央公文書資料館で2015年3月末ー4月初旬に、1935-37年のエチオピア戦争と抵抗運動の鎮圧及び植民地政策に関する資料を収集した。 現在の北部同盟その他のレイシズムと移民・外国人政策の動向、民主主義との関係についての文献の収集も進めた。 レイシズムそのものではないが、関連するテーマであり、多民族化・多文化・多宗教化の進むヨーロッパにおいて、レイシズムに対抗して各国における共通の市民意識とEU市民を形成する上での課題となっているシティズンシップ教育に関する基本的な視点と問題点、ヨーロッパでの経験を生かした日本でのシティズンシップ教育の基本的な課題を明らかにする論文を発表した。また、代表制の面からも危機にある現代デモクラシーの機能強化、国民参加の制度としてのイタリアの国民投票制度を原発問題との関連で取りあげ、分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題に関する基本的文献の収集が順調に進んでいる。ファシズム体制側のアフリカ・アラブ認識と体制の政策についての最初のまとめを進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度中にファシズムのアラブ・アフリカ認識についての研究を一応まとめる。 第二次大戦後のイタリア人のアラブ・アフリカ認識及び英仏国民と政治指導者のそれらに関する認識に関する文献を収集し、その認識へのイタリアの他律的な脱植民地化による影響とその認識構造を、英仏のアラブ・アフリカ認識との相違を明らかにする中で解明することを試みる。
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Causes of Carryover |
まだ、基本的な資料・文献の収集段階であり、アルバイト等を雇用しての資料整理や知識提供を求めることがなかったために、人件費・謝金等の項目に支出がなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は研究の進展に伴う資料整理やエチオピアへの出張も計画しており、この面での知見の提供を求めることが予想されるので、この分野の使用を実施する予定である。
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