2016 Fiscal Year Annual Research Report
NATO Debates over East-West Detente and the Johnson Administration
Project/Area Number |
26380212
|
Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
倉科 一希 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (00404856)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | アメリカ外交史 / 冷戦史 / ヨーロッパ国際関係史 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究最終年度には、ドイツ・アメリカ・イギリスにおける史料調査を行い、これまでにカバーし切れなかった一次史料を確認した。ドイツではベルリンの外務省政治文書館を訪問し、主要な史料をまとめたB150のうち、1967年から68年のもの、およびそれ以外の独米関係の史料などを閲覧した。アメリカではワシントンの国立公文書館およびテキサス州オースティンのジョンソン大統領図書館を訪問し、これまで収集し切れなかった史料の確認を行った。さらにイギリスでは、首相文書、内閣文書、外務省文書を確認し、ハーメル報告を当時のイギリス外交全体の文脈に位置づける史料を取得した。 これらの史料を、以前の研究で獲得した史料と併せて分析することで、東西デタントに関するアメリカの政策および同盟国の反応が明らかにされる。申請者は前年度までの研究で、アメリカの同盟政策とハーメル報告に関する政策との関連性をある程度明らかにしている。新たに獲得した史料によって、とくにイギリスとアメリカの政策の比較分析が可能となる。 報告の時点では、史料を分析して論文の形にまとめる作業の進行途上にある。現時点で明らかになっているのは、1966年のNATO軍事機構脱退で頂点を迎えるフランスとの対峙がアメリカの政策に大きな影響を与えた点である。その一方、同時期にアメリカが交渉を進めようとしていた核兵器不拡散交渉との関連は定かになっていない。また、イギリスの対応、とくに具体的な交渉の進展については、これから分析を進めなくてはならない。現在、年内の論文発表を目指して作業を進めている。
|