2014 Fiscal Year Research-status Report
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26380213
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
李 恩民 桜美林大学, 人文学系, 教授 (90372911)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 資源外交 / ODA / 対外援助 / 陸上東南アジア / 海上東南アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度の研究は次の3点に集中した。 1)本課題関連分野の研究史の全体像をレビューし文献資料の所在を把握した。 2)レシピエントとしてのタイ王国から調査を実施し始めた。調査にあたって、現地研究者の協力のもとで、中国が直接・間接に支援した華僑華人団体、華僑医院、報徳善堂、バンコク中国文化センター、さらに中国企業が進出している鉄道と高速道路の建設現場、通信事業を担う著名な中国系企業である華為、バンコク都市開発のデザインに携わる中国企業などで調査し、一部の担当者に対してインタビューした。タイ外務省においては貴重な外交文書、タイ・中国またはタイ・日本間の会議議事録などを閲覧した。よって、文献と実地調査の両面から同課題を深く探求することができた。 3)研究成果の一部を発表した。2014年8月、インドネシアのUdayana大学で第二回アジア未来会議(Asia Future Conference: Diversity & Harmony)が開催された。本研究代表者・李恩民は、明石康・Francis Schortgen司会のセッション(国際政治と対外援助)で、“Between Hope and Fear: Southeast Asia’s Reactions to Chinese-style ODA”をテーマに研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2014年度の研究はレシピエントとしてのミャンマー・タイ・ラオス・ベトナム・カンボジア・ブータンなどから、調査実施可能な地域を選定した上で、現地調査を順次に開始する、と予定した。しかし、ヤンゴンでの現地調査はほぼ確実になった時、ミャンマー国内で軍事的衝突が突発、ミャンマーと中国国境地帯での摩擦も起きたため、中止となった。ベトナムでは、被調査機関との接触はうまく行かず、関係役所からの許可も得られなかった。そのため、「陸上東南アジア」即ち中国の南部隣国における「中国的ODA」の実態調査活動はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度は、予定通り「海上東南アジア」で新しい調査地域を開拓し、インドネシア・東ティモール・マレーシア・フィリピンなどへの現地調査を実施する。またミャンマーやベトナムなどへの現地調査は許可が下りた段階で速やかに実施する。進捗状況に応じて日本・欧米諸国で対アジア援助、特に対アジア資源外交の国際比較研究も行い、日本内外で開催される学会・国際会議で本研究の最新成果を積極的に報告したい。
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Causes of Carryover |
2014年度中に、レシピエントとしてのミャンマー・タイ・ラオス・ベトナム・カンボジア・ブータン諸国から、調査実施可能な地域を選定した上で、現地調査を開始する、と予定したが、調査地の軍事的衝突の突発や被調査団体の受け入れ問題などの理由により、時期を改めなければならなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ミャンマーやベトナムなど、中国の南部に隣接する東南アジア諸国での調査を実施可能な段階で速やかに実施する。中国北部に隣接する援助対象国での現地考察も視野に入れてみたい。国際会議などを利用して本研究の中間成果を報告したい。
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Research Products
(4 results)