2017 Fiscal Year Annual Research Report
Modification of Inequalities under Regional Integration: Basic Studies on its Concepts, Norms, Institutions
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26380215
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
飯沼 健子 専修大学, 経済学部, 教授 (70384667)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地域統合 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、追加的な聞き取り・情報収集・情報分析を行い、研究成果を充実させることを目指した。また、学会発表や編著への参加を通して、研究成果の発表に繋げた。 地域統合の分析で先行している欧州の動向から追加情報を得るべく、主要国の関連機関を訪問し聞き取り・情報収集を行った。また、欧州連合を中心に地域統合の実証研究を行うフランスの研究グループとの協力を通して、地域統合の理論と実証の研究について意見交換と学術交流を行った。具体的には、同研究グループの研究会への出席や、地域統合についての公開シンポジウムに参加し、欧州連合と日本の関係を通して地域統合の特徴の分析について講演を行った。また、同グループから出版された叢書のうち同様のテーマで分担章を執筆した。 研究期間全体を通じて実施した研究成果としては、国家に代わる新たな分析単位として地域統合を捉え、地域統合が域内の格差問題をどう認識し、これに関してどの様な規範がつくられ、どの様な是正策を講ずるかについて、理論と実証の側面から検証した。理論的には多くを欧州連合の先行研究に依拠しながらも、実証面ではアジアをはじめ非ヨーロッパ地域と繋げることができた。特に地域統合で先ず主要課題となる貿易自由化や民間投資・民間部門の促進が、統合深化と格差拡大との関係でどう位置づけられるかについても、アジアの実情から考察を行った。域内格差の認識は単一ではないこと、政治的なアジェンダによる格差認識の側面が強いこと、その格差認識に依拠して規範と制度がつくられてきたこと等が明らかになった。また、格差是正に繋がる実際の協力や援助規模は大きなものではなく、格差とその是正についての共通認識の形成自体が地域ガバナンスでは重要な位置付けにあると言える。
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[Book] Les Frontiere exterieures de l'Union europeenne: Controle des Echanges/Strategie internationale de l'Union..2017
Author(s)
Jacques Bourrinet, ed. Takeko Iinuma, Louis Balmond, Andre Cartapanis, Catherine-Amelie Chassin, Jean-Francois Daguzan, Romain Foucart, Patrick Gaia, Thierry Garcia, Banggui Jin, Henri Labayle.
Total Pages
181
Publisher
Aix-Marseille Universite