2015 Fiscal Year Research-status Report
東アジア地域秩序の展望-国際ルールの形成過程における規範の衝突と融合
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26380217
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
湯澤 武 法政大学, グローバル教養学部, 教授 (10583883)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 国際関係論 / 東アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、主に以下の3点について研究を進めた。①多国間制度を通じた規範・ルール形成に関する理論・分析モデルの構築。②地域主要諸国がどのような規範を政治・安全保障分野のルールに反映させようとしてきたのかを明らかにする。③ルール形成を巡る関係諸国間のバーゲニングの実態を明らかにする。
①について本年度は、理論構築に関して具体的な成果を出すべく、学会報告を目標に論文の執筆に取り組んだ。この目標に関する主な成果としては、平成28年3月に米国アトランタで開催されたInternational Studies Association(ISA)年次大会での研究発表が上げられる。学会に提出した論文はまだ第一草稿の段階であったが、学会では討論者およびその他パネル参加者からポジティブな評価を得ることができた。また学会の他のパネルに参加することを通して、理論研究に関する有意義な知見を数多く得ることができた。本学会での成果を、平成28年度以降の学会報告および学術誌への論文投稿につなげていきたい。
②③について本年度は主に情報収集に取り組んだ。具体的には、日本政府関係者へインタビューを行うとともに、本研究の分析対象となる多国間制度(ASEAN地域フォーラム)の政府間会合(東京開催)へオブザーバー資格で参加した。本年度は諸事情により予定した海外調査を実施することができなかったが、上記二つの取り組みにより、理論の検証に資する有意義な情報を収集することができた。特にASEAN地域フォーラムの政府間会合への参加は、バーゲニングの現場を直接的に観察するという意味において、貴重な経験であった。この取り組みの一部成果として、平成28年2月に大阪大学で開催された国際フォーラムで報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査対象国(インドネシア)でテロ事件が発生したため、予定していた一連の出張を延期した。
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Strategy for Future Research Activity |
まず理論研究に関しては、平成27年度に国際学会で報告した論文のドラフトを平成28年度中に改訂し、学術誌への投稿に繋げていく。また実証面の研究に関しては、平成27年度に実施予定であった海外調査を平成28年度に順次実施していく。
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Causes of Carryover |
予定していた海外調査を実施できなかったことが主な理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き本研究に必要な資料の収集を進めるとともに、平成27年度に実施予定であった海外調査を順次実施する予定である。
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Research Products
(4 results)