2016 Fiscal Year Annual Research Report
グローバルな規範形成とローカルな記憶形成:ラテンアメリカの人権NGO・学習・連帯
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26380222
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
杉山 知子 愛知学院大学, 総合政策学部, 准教授 (90349324)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 移行期正義 / ポスト移行期正義 / 記憶 / ラテンアメリカ / アルゼンチン / チリ / 民主主義 / トランスナショナル関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、これまでの研究の一部を踏まえアルゼンチンの事例を中心とする招待講演、国際学会での発表をおこなった。本年度はアルゼンチンが過酷な人権侵害を経験した軍政期クーデター40周年にあたり、在日本アルゼンチン大使館が中心となり記念講演会が上智大学イベロアメリカ研究所において開催され、在日本アルゼンチン大使、人権弁護士と共に講演をおこなった。この講演では、これまでの研究を踏まえ、アルゼンチンが過去の人権侵害に対しどのように向き合ってきたのかその(紆余曲折を含めた)経緯、キルチネル政権での人権政策としての記念事業について講演をし、その後質疑応答では、軍政期以前のアルゼンチンの政治、5月広場の母親の会の変容などについて活発な議論が展開された。平成28年6月にスペイン、サラマンカ大学で開催された国際学会The 8th International Congress of the European Council for Social Research on Latin Americaでは、"Remembering the Past and Promoting Human Rights in Argentina and Chile”と題し、特にブエノスアイレスのParque de la Memoriaに焦点を当て、公的空間と記憶、公的空間の活用についての発表を行った。視察については、南アフリカのヨハネスブルク及びケープタウンにおいて過去の人権侵害関連施設を訪問した。南アフリカでは過去の人権侵害関連施設は記憶の空間であるとともにかつての政治犯収容に使われたベロン島は重要な観光資源となっているとの印象を受けた。これらの他、世界各地で過去の記憶の空間、ミュージアムが展開されている2次資料も検討した。
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