2018 Fiscal Year Annual Research Report
International Solidarity against Apartheid: The Case of Japanese Citizens' Movements
Project/Area Number |
26380227
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Research Institution | Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization |
Principal Investigator |
牧野 久美子 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 研究企画部, 海外研究員 (30450505)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 反アパルトヘイト / 社会運動 / 国際連帯 / 国際情報交換 / 南アフリカ / 日本 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本で1960年代から1990年代にかけて展開した反アパルトヘイト運動について、南部アフリカの解放運動や欧米やアジア・アフリカ諸国の反アパルトヘイト国際連帯運動との関係、また日本国内の差別問題に取り組む運動との関係に注目しながら文献調査および聞き取り調査を実施した。 近年、解放運動や反アパルトヘイト運動の歴史を振り返る研究プロジェクトが南アフリカや欧米で盛んに実施されてきたが、本研究の開始時点では、日本を含むアジア諸国における反アパルトヘイト国際連帯に関する研究はほとんど存在していなかった。本研究を通じて、日本の反アパルトヘイト運動について英語と日本語の双方で複数の成果を発表することができたこと、また運動当事者が保管していた日本反アパルトヘイト委員会(JAAC)アーカイブズの立教大学共生社会研究センターへの寄贈が実現したことで、本研究の所期の目的は十分に達成することができたと考える。 具体的には、最終年度となった2018年度の主要成果(2018年度中に出版が確定し、2019年度に入ってから出版されたものも含む)として、(1)2018年5月の日本アフリカ学会における研究代表者の牧野久美子と研究協力者の津山直子氏によるフォーラム報告「反アパルトヘイト運動の記憶と記録」の実施、(2)南アフリカ民主教育基金(SADET)"Road to Democracy"シリーズの「国際連帯」巻への牧野・津山の寄稿、(3)Koniecza and Skinner ed., A Global History of Anti-Apartheid (Palgrave刊)への牧野の寄稿、(4)1990年のマンデラ歓迎委員会で事務局長を務めた吉田昌夫氏のインタビュー記録の公開、の4点が挙げられる。このほか、解放運動の歴史を踏まえて南アフリカ政治の現状を分析した論文や一般向け記事も執筆した。
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