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2014 Fiscal Year Research-status Report

価格の粘着性とインフレ期待形成に関する実証研究

Research Project

Project/Area Number 26380233
Research InstitutionHitotsubashi University

Principal Investigator

上野 有子  一橋大学, 経済研究所, 准教授 (80721498)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsインフレ期待 / 企業の価格設定 / パネル実証分析
Outline of Annual Research Achievements

研究実施計画に沿って本研究に不可欠な「法人企業景気予測調査」及び「企業行動に関するアンケート調査」両調査の個票データを政府統計の目的外利用申請手続きを経て入手し、企業のパネルデータセットを構築した。それらを用いて、企業のインフレ期待について「販売価格予想」と「仕入価格予想」の双方に関するインフレ期待の長期時系列データを作成した。具体的には、回答が定性的である「法人企業景気予測調査」結果に対して、カールソン・パーキン法と呼ばれる手法を適用することで、定性データを数量化した。これにより、時系列でみて企業の「仕入価格予想」と「販売価格予想」がほぼ連動して動いていること、同時に仕入価格予想に比べて販売価格予想は常に下振れしていることから、予想の段階では企業は仕入価格の上昇を全面的に販売価格に転嫁できないと考えている確率が高いことが明らかになった。また、こうした確率はデフレ期とそれ以外の時期で異なる傾向にあることも、推計結果から明らかになった。これを企業レベルでさらに細かく分析するため、パネルデータセットの特徴を活かして、仕入価格の上昇が予想されるとき、どのような企業がそれをより販売価格に転嫁する傾向にあるのかを、企業業績(売上高や経常利益などの実績や各社の需要に対する見通しなどの情報)を用いたパネルプロビットモデルや固定効果モデルなどで推定し、本研究の主眼である価格設定の非対称性について考察するための予備的分析を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究実施計画に沿って、当該年度中に実施を予定していた事項(個票データの利用申請及び入手、データセットの構築、データ傾向の把握、及びデータの定量化)はすべて網羅することができた。データを定量化した際、例えば推計期間を変えると結果が不安定になることや、企業のインフレ期待の変動が期待されたレベルよりかなり小幅に推定されるなどの課題が残されたものの、概ね期待された結果を得ることができた。

Strategy for Future Research Activity

達成度に記載したとおりデータの定量化までは研究を進めることができたため、今後は定量化されたデータを用い研究実施計画に沿って、マクロレベル、マイクロレベル双方の推計を進める。特に、企業の価格設定行動に関してデフレ期とそれ以外の時期で非対称性がみられるか、見られるとすればどのような条件下なのかを、時系列及び業種などの企業属性別に掘り下げて検証する。

Causes of Carryover

統計ソフトウェアの購入を、作業時期の変更に伴い平成27年度に繰り越した。また、海外研究者の招聘についても、平成27年度以降に行った方がより効率的な議論ができることから延期することとした。

Expenditure Plan for Carryover Budget

実証分析の過程で追加的に入手したいデータが生じたことから、次年度使用額の大半を当初計画には記載していない独自調査(アンケート調査)の実施費用とすることを予定している。

URL: 

Published: 2016-05-27  

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