2015 Fiscal Year Research-status Report
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26380240
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
浅野 貴央 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (40423157)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナイト流不確実性 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、smooth ambiguityと呼ばれる概念の理論的研究及びその応用研究について研究を進めた。具体的には、3つの研究テーマについて研究を進展させた。1つ目は、不確実性が起業家の起業選択に与える効果について研究を行った。従来のリスクの枠組みでは得られなかった新たな知見を導出した。本研究は、20世紀初頭から研究が継続されている分野の研究であり、当該分野において新たな知見をもたらす研究であると考えている。2つ目は、プリンシパルおよびエージェントのインセンティブに対して、不確実性がどのような影響を与えるかについて研究を行った。本研究においても従来のリスクの枠組みでは導出できなかった新たな知見を導出した。3つ目は、投資家の最適なポートフォリオに対して不確実性が与える効果を分析した。本研究では、確率優位の概念を始め、複数の比較静学の知見に基づき、従来のリスクの枠組みでは導出できなかった新たな知見を導出した。3つの研究について、27年度中に論文は完成しなかったが、28年度中の早い時期に論文が完成する予定であるため、得られた成果を国際学会および国内外の研究機関で報告し、多くの研究者と議論をすることによって、論文の完成度を高める予定である。論文を修正・改訂した上で、一つでもランクの高い国際的学術誌に投稿し、論文の採択を目指す予定である。また、完成した論文について、ワーキングペーパー・ディスカッションペーパーとして世界に向けて公開する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文として完成はしていないが、smooth ambiguityに関する応用研究が大いに進展し、28年度中に複数本の論文が完成する見通しであるため。
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Strategy for Future Research Activity |
smooth ambiguityに関する理論研究およびその応用研究について研究を進展させ、その応用可能性について論文を執筆する。
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Causes of Carryover |
当初、処理速度の速いコンピューターを購入予定であったが、次年度に購入した方が研究計画全体における生産性が上がると判断したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
処理速度の速いコンピューターの購入及び海外学会の旅費として支出する予定である。
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