2015 Fiscal Year Research-status Report
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26380242
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
七條 達弘 大阪府立大学, 経済学部, 教授 (40305660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 創 関西大学, 経済学部, 教授 (10347510)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 調整ゲーム / シグナリング |
Outline of Annual Research Achievements |
共同目標という一種のシグナリングが協調に与える効果を分析するのが本研究課題であるが、様々なタイプのシグナリングについて理論研究および実験研究を行った。主な研究は3種類である。 [1]コストがあるシグナルによりタイプを伝える事によって協調が達成されるかの分析。理論研究で、実験に用いるメカニズムが一定の条件を満たす唯一のものである事を求めワーキングペーパーにまとめた。さらに、中立的用語しか用いない実験環境においてシグナルが実施に協力を引き出す効果がどの程度あるかについて分析を行い、その結果をワーキングペーパーにまとめ、さらに学術雑誌に投稿した。[2]コストがあるシグナルにより、協力意思を伝える事によって協調が達成されるかの分析。理論上、コストがあるシグナルを使って協調が達成しうる事を確認し、それを実験で分析した。27年度の実験ではstrategy method を用いた実験も行い、従来よりもシグナルの効果が明確に分かる実験結果を得た。[3]組織において人が入れ替わる状況を想定し、前世代が送ったコストがないシグナルをみて、行動を行う状況の分析。この状況下で一定のパラメータ上で協調が達成する均衡が存在する事を確認した。27年度は、対照実験となるシグナルがないケースについて実験を実施した。前の世代の行動がみれる場合とみれない場合ではみれない場合の方が協力が達成しやすいという実験結果を得た。 その他、マネーを媒介した協調に関する実験なども行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績を5つ本のワーキングペーパーにまとめた。学会等における研究報告を7回行った。そのため順調に成果が上がっていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の[1]~[3]について引き続き実験を行い分析を行う。[1]については理論的研究の余地があるため理論研究もつめていく。また、上記に加えて新しいプロジェクトとして、偽りのインセンティブがある状況下でのシグナルについての実験を行う。
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Causes of Carryover |
昨年度、申請時点では予想できなかった他の外部資金を利用した研究を行う事ができたため資金を有効に活用するためには次年度に使用した方がよいと判断した。また、一度、実験に参加した被験者は同種の実験に参加できないという条件があるために、1つの年度に多くの実験を入れる事ができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度から引き続きの実験および新規にプロジェクトを立ち上げる実験を実施する事で計画的に使用する予定である。
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Research Products
(12 results)