2016 Fiscal Year Research-status Report
ジェームズ・ステュアートの貨幣的経済理論成立過程の研究
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26380255
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古谷 豊 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (00374885)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 経済学説 / 経済思想 / 経済学史 / ステュアート / ダヴナント / 草稿研究 / クセノポン / ヒューム |
Outline of Annual Research Achievements |
ジェームズ・ステュアートへの古代の哲学者クセノポンの影響について、アメリカの学会(43rd Annual Meetings of the History of Economics Society, Duke University, Durham, NC, USA. 2016年6月17日)にて報告し議論した("James Steuart on the Ancient Economy")。 ステュアートへのダヴナントの影響について、研究会(第7回Political Economy Tokyo Seminar, University of Tokyo)で報告し議論した("Steuart and Davenant on Financing Wars")。これはダヴナントからステュアートへの継承関係を、より広い観点から、政治算術の継承関係として示そうとするものであった。この研究会での議論を通して、政治算術の継承関係としてとらえる視点は重要であることが確認されるとともに、このような議論の拡張に伴って、いくつか取り組むべき課題があることも明らかになった。 エディンバラ大学のThomas AhnertとUnderwood International College, Yonsei UniversityのCharles Bradford Bowを招いて国際カンファレンス(The 56th Meeting of the Study Group for Economic Thought (Joint Conference with Research Group on the Adversary System in Eighteen Century Britain))を開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
とりわけダヴナントからステュアートへの継承関係について、政治算術としての流れをはっきりさせられたことと、それにともなって取り組むべき多くの課題が明らかになったことが大きい。 形式的には次の課題であるヒュームとステュアートとの関係について議論を進められるとさらに良かったが、すでに取り組み始めた課題であるダヴナントとステュアートのかかわりが非常に大切なかかわりであって、当初想定していた以上に大規模な研究課題であることがはっきりしてきたことは、全体としての本研究課題にとってはとても良いことである。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒュームとステュアートとの関係へ、リシュリューとステュアートとの関係へ、と機械的に進めることはせずに、ダヴナントとステュアートとの関係で当初予想していなかった大きな課題を掘り下げることを優先する。
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Causes of Carryover |
本研究課題の初年度に、自前の研究資金を多く入れて研究を進めたこと、ならびに、本年度は本研究課題をさらに発展させるために国際共同研究を進めることになり、その準備作業に取り組んだ分、海外渡航を一回分取りやめたこと、による。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究課題の内実がふくらんだことにより、それにともなう資料収集、研究会報告、図書購入などにあてていく。
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