2017 Fiscal Year Research-status Report
経営資源論的アプローチによるイギリス古典派経済学の研究
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26380258
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Research Institution | Shimonoseki City University |
Principal Investigator |
村田 和博 下関市立大学, 経済学部, 教授 (00300567)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | J. S. ミル / 経営資源 / 人的資源 / 古典派経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
経営資源の観点からJ. S. ミルを考察した二つの論文を公表した。一つ目の「J. S. ミルにおける人的資源」では、ミルの人的資源に関する以下の特徴を明らかにした。①ミルは、優れた人的資源は労働生産性を引き上げ、特別利潤を生みだすと考えていた。また、それらは成長可能だと捉えていたことから、人的資源を成長可能な資源と理解していた。②ミルは、バベッジ原理を支持していたことから、高い能力を持つ希少な労働者の有効活用に着目していた。また、就業に教育が必要な場合、その教育費の負担が労働供給を制限し、その職業に従事できる労働者を希少にすると捉えた。③モチベーションについては、賃金を用いたモチベーションだけでなく、名声や権力といった非物的報酬も検討していた。また、労働の自律性に関するミルの主張は内発的動機づけを視野に入れていた。 二つ目の「J. S. ミルに関する一考察」では、ミルの経営資源に関する以下の特徴を指摘した。①資本について、ミルは大きな資本すなわち大規模生産の小規模生産に対する優位性を論じている。②ミルは、市場競争と危機意識が生産の改良を促進すると捉えていた。③管理職能については、経営者に必要な資質として忠実と熱意を、そして経営者に求められる能力として組織編成能力及び生産の改良に関する知識と意思決定を指摘している。また、管理能力の違いは利潤の構成要素の中の監督賃金の違いとなって現れ、優れた管理能力は、監督賃金を介して、企業に特別利潤をもたらすと理解している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度から平成29年度までに、経営資源論の概略、スミス、バベッジ、及びミルに関する考察を終えた。さらに、A. ユアについてもほぼ論文化できている。したがって、研究はおおむね順調に進展しており、最終年度に研究成果報告書を作成できる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
A. ユアを経営資源の観点から考察した論文を公表する。また、平成30年度は研究期間の最終年度であるため、5年間の研究成果をまとめた研究成果報告書を年度末までに作成し印刷する。
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