2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26380259
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
只腰 親和 中央大学, 経済学部, 教授 (60179710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益永 淳 中央大学, 経済学部, 准教授 (00384727)
荒井 智行 中央大学, 経済学部, 助教 (70634103)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 経済学の制度化 / イングランドの経済学 / スコットランドの経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はイギリスにおける19世紀前半期における経済学の制度化過程を研究することが目的であった。そうして三人の研究構成員のうち、荒井がD.ステュアートを、益永がマルサスを、只腰がウェイトリを主として担当することとした。このなかでこの1年間、特に精力的に研究を進めたのが荒井であった。学会報告を、海外(ステュアートの教育論)で1回、日本で1回(ステュアートの人口思想)したほかに、ステュアートの研究動向にかんする論文を公刊した。これらの成果のうちでは、これまで専門家の間でもほとんど知られていなかった資料を活用してステュアートの人口思想を論じた日本での学会報告が目をひくものである。また公刊論文もこれまでのステュアートにかんする内外の研究をたんねんにまとめたものあり、関連の研究者にとって有益なものと言えよう。 益永は、二度の学会報告を行った。マルサスとリカードゥに関するものだったが、いずれも海外の報告者が参加する場での発表であった。マルサス、リカードゥに関してはわが国でも相応の研究蓄積があるが、外国の研究者との交流を通じてさらに視野がひろまり、今後の研究の発展を期待できる。 只腰は全体の調整が主たる任務であったが、日本イギリス哲学会のシンポジウムに一報告者として指名され、D.ステュアートにかんして報告した。この報告を通じて、ステュアートからウェイトリへのイギリス経済学の制度化過程の道筋が、あらためて理解可能となり、ステュアートとウェイトリの間に、マルサスのみならずJ.ミル、マカロクをはさんだ制度化の路線に示唆を得ることになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3人の共同作業とはいえ、各人が自立した研究者なので一律の進捗状況とは言えない。だが、3人ともそれぞれの研究にふさわしいと思われる場で研究報告をしており、1年目の達成度としては順調なものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
推進方策については当初の計画に基本的な変更はない。1年目は、荒井を除いて口頭報告が主であったが、活字の成果をあげるよう努力したい。
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Causes of Carryover |
当初、海外での資料収集を考えて、旅費を計上していたがその予定が実現できなかったので、使用額に変更が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
東インドカレッジ関係の原資料および、イギリス経済学の初期制度化に関する二次文献の購入とイギリスでの資料取集のための旅費を予定している。
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Research Products
(6 results)