2016 Fiscal Year Annual Research Report
The Formation of the Institutionalization in the British Economics
Project/Area Number |
26380259
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
只腰 親和 中央大学, 経済学部, 教授 (60179710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益永 淳 中央大学, 経済学部, 准教授 (00384727)
荒井 智行 東京福祉大学, 国際交流センター, 特任講師 (70634103)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 経済学の制度化 / イギリス経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度において、益永は1835年からマルサスの後任として東インドカレッジ教授となったリチャード・ジョーンズの経済学講義に研究の焦点を当てた。その結果、従来ほとんど注目されてこなかった穀物の自由貿易への移行に伴う諸問題が彼の講義で少なからぬ重要性をもって論じられていたことを明らかにした。その成果は、共同研究者の荒井とともに行ったアメリカの学会で報告されている。また、前資本主義社会と資本主義社会を対比しながら展開された地代の歴史的考察もジョーンズの講義の重要な部分であったが、その考察については本年度出版した書物に論文の形で公表した。 荒井は、東インド・カレッジにおけるトマス・ロバート・マルサスの経済学講義の特徴と講義の設置プランの経緯を明らかにすることを本年度の研究目的とした.この目的を遂行するために,平成27年度に主に大英図書館で収集した資料分析を集中的に行った.特に焦点を当てて考察したのは,大英図書館に所蔵されている1806年から1834年まで行ったマルサス講義を聴講した全学生の成績表,東インド・カレッジに関する未公刊の学位論文(ハートフォード州立図書館所蔵),ボードリアン図書館に所蔵されている東インド・カレッジの関連資料や1808年の同カレッジにおいてマルサスが作成した試験問題である.その研究成果として,2016年6月に米国,デューク大学で国際学会報告を行った.学会報告後,海外の研究者から頂いた報告に対する多くの有益なコメントを参考にして,マルサス講義の特徴に関する論文作成に努めた. 只腰はこのプロジェクト全体の統括をすると同時に、個別の研究ではこの時期のイギリス経済学における大学での経済学講義の発生・展開に、人脈面で大きな役割を果たしたジェイムズ・ミルの経済学について考察し、内容を論文として公表した。
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Research Products
(6 results)