2017 Fiscal Year Annual Research Report
Pierre Prevost's political economy and intellectual network in the Age of Enlightenment
Project/Area Number |
26380263
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
喜多見 洋 大阪産業大学, 経済学部, 教授 (30211197)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ピエール・プレヴォ / 啓蒙 / 知的ネットワーク / スミス『哲学論文集』 / D.ステュアート / マルサス人口論 / ジェイン・マーセット |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、本研究課題のうち特に、「啓蒙期ヨーロッパの知的ネットワーク」に関連した研究を重点的に進めた。 もともとこの研究は、18世紀末から19世紀はじめにかけてジュネーヴのアカデミーの教授であったピエール・プレヴォの経済学について、同時代のヨーロッパ的規模で広がっていた知的ネットワークとの関連を意識しつつ解明しようとするものであり、この時期の知的ネットワークの存在自体が重要だという点に注目していたことに意義があった。最終年度は、特にこの知的ネットワークの重要な一要素であるJ.-B.セーとの関連について重点的に分析を進めた。その研究成果の一部については、すでに関西大学『経済論集』第67巻第3号に「初期Sayの経済思想 ― 啓蒙、フランス革命との関連で ―」として発表済みである。また、平成29年11月に神奈川大学図書館で開かれたセミナー「山口茂、山口文庫、J.-B. Say ―― 生き続ける知の遺産」における報告をもとに作成された「イポリット・コントの蔵書印をめぐって」(『神奈川大学史紀要』第3号)もその研究成果の一部である。 これらをさらに、2018年1月に黒木龍三、安藤裕介編The Foundations of Political Economy and Social Reform, Routledgeの第10章として発表した“Pierre Prévost’s political economy and contemporary intellectual networks”とあわせたものが現時点での研究期間全体を通じた研究成果である。 以上の研究をつうじて、研究領域、関連する人脈ともに幅広かったピエール・プレヴォの経済学が、経済学史の上で従来考えられていた以上に意義があり、重要であるということが明らかになった。
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