2014 Fiscal Year Research-status Report
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26380272
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
程島 次郎 名古屋市立大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (30181514)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | パネルデータ分析 / clustering / 福島原発事故 / シミュレーション / bootstrap |
Outline of Annual Research Achievements |
福島原発事故の日本の電力会社の株価と社債への影響を推定する研究を実施した。その際、福島原発事故に関する先行研究をサーベイし、そこでの推定の問題を研究した。この研究では、パネルデータ分析での推定によって得られる残差に同じ企業の残差または同じ時点の残差に相関がある(これをclustering があるという)場合のcluster-robustな分散の推定量を福島原発事故の電力会社の株価と社債への効果を推定する際に応用し、ディスカッションペーパー2本と論文1本を完成させることができた。これらの成果を、研究会2回、国内学会1回、国際学会1回で発表した。なお、先行研究では、cluster-robustな分散の推定を実施した論文はこれまで1つもないので、今回の結果はかなり興味深い結果であるといえる。
上記の研究で得られた知見を、東京理科大学教授宮岡悦良氏との共著「回帰分析」(平成27年度中に完成予定)の中に記述しようと執筆を準備している。
また、cluster-robustな分散の推定量を、すでに発表されている資産価格モデルまたはファイナンスで著名な研究を選んで計算して、標準的な場合と比べてどのような違いが出るかを示すことを、論文にする準備を行った。具体的には、Fama-Frenchの3 factor modelを考えていて、このモデルの推定結果がcluster-robustな分散を計算するとどのように推定結果が変わるかに関する予備的な計算を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、上記の研究実績で書いた研究の他に、Spanos (1994)が考えた同時分布が多次元t分布に従っているときに、条件付き分布が、期待値が線形回帰モデルになり、分散がheteroskedasticになるが、その際のjoint maximum likelihood estimatorの有界標本での特性を、GARCHモデルなどの色々なGDPで調べ比較検討するとしていたが、この部分の研究が実行出来なかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
cluster-robustな分散の推定量を、すでに発表されている著名な研究で計算して、標準的な場合と比べてどのような違いが出るかを示すことを、論文にして専門雑誌に投稿する。 東京理科大学教授宮岡悦良氏との共著「回帰分析」(平成27年度中に完成予定)の中にパネルデータ分析の章を設けcluster-robustな分散の推定量に関する説明を記述する。 bivariate GARCHモデルを仮定した収益率のモデルで、条件付きモデルを考え、その際に出現するtemporal heteroskedasticityとcontemporaneous heteroskedasticityを考え、無条件なモデルと条件付きモデルとのあてはまりの良さの度合いを比較する。
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Causes of Carryover |
金額は24734円と小さい額で、使い切ることもできたが、無理に使うこともないので、次年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
少額なので、消耗品などで使用する予定です。
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Research Products
(8 results)