2016 Fiscal Year Research-status Report
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26380274
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藪 友良 慶應義塾大学, 商学部(三田), 准教授 (90463819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 元嗣 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00252718)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 為替介入 / 代理変数 / 単位根 / 非線形トレンド |
Outline of Annual Research Achievements |
1991年3月以前の介入を分析した先行研究では、介入額が不明であることから代理変数を用いた分析がなされるのが一般的である。本研究では、1991年4月以降のデータを用いて、代理変数と実際の月次介入額を比較し、どの代理変数が最も優れているかを検証した。その結果、最も優れている代理変数は、対民収支に調整を加えたものであることが明らかになった。新たに整備された介入データ(1971年8月から2015年3月)を用いて、介入の反応関数を推定した。その結果、1981年11月、1995年6月、2003年1月、2004年4月に、反応関数に構造変化が生じていたことが分かった。1981年11月の構造変化は、これまで先行研究では指摘されてこなかった。 単位根があるか未知のもとで非線形トレンドの存在を検証するための研究についても、進展がみられた。これまで、Frequencyは既知とした検定を提案してきたが、実証分析ではFrequencyが未知であることがほとんどである。したがって、Frequencyを未知としたうえで、非線形トレンドが存在するかのSup検定、Mean検定を新たに提案している。線形トレンドがない特殊ケースでは、検定統計量の極限分布は、定常か非定常かの仮定に依存しないことがわかった。線形トレンドがあるケースであっても、定常のもとでの検定統計量の閾値と非定常のもとでの閾値は小さく、より大きい値を使うことで検出力の高い統計量を作ることができることを示した。また、Frequencyが複数ある場合についても、検定をSequentialに行うことで、Frequencyの数を正しく推定することができることも分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
介入、非線形トレンドの研究について、それぞれ1本づつ論文を執筆し、それらが定評のある雑誌に既に採択された。
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Strategy for Future Research Activity |
非線形モデルのfrequencyの選択について、さらなる改善をしたいと考えている。
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Causes of Carryover |
病気のため、2016年7月から12月にかけて療養が必要となり長期間の研究遂行が困難となった。そのため、予定していた海外での研究打ち合わせを行うことができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年8月から9月に海外出張を行い、研究打ち合わせを行う予定である。
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Research Products
(3 results)