2014 Fiscal Year Research-status Report
企業の国際競争力を守るには?: 戦略としての特許政策と特許侵害訴訟制度
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26380281
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大野 由夏 北海道大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (50598480)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 情報収集 / モデル構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
パテント・トロール、non-practicing entities (NPEs), patent assertion entities (PAEs) や特許保有団体、特許保険など、ごく最近になって出現したビジネスモデルについての情報を 特許関連書籍、インターネット、ニュース記事等から集めた。ビジネスモデルのスタイライズド・ファクトを作成。NTP v Research in Motion の2000年のケースの当初の状況と比較し、過去15年間にビジネスモデルが急激に変化し、複雑化している事が判明した。特に、近年においては Microsoft, Apple, Google 等の Practicing Entities (PEs) も 似たような patent monetization strategy を行うようになってきている。したがって、パテント・トロール、NPEs、PAEs のみをターゲットとした政策を導入する事は困難であり、特許訴訟政策が、PEs の行う健全な研究開発に対する影響を考慮する事が重要になる。 収集した情報を基に特許侵害訴訟の理論モデルの基礎を構築した。通常の企業が先行研究の特許を保有する場合と、パテント・トロールや特許保有団体が保有する場合を比較し、パテント・トロールや特許保有団体が必ずしも、「trigger happy」でないことを証明した。この段階ではR&D 投資、技術選 択・商品開発は経済モデルに組み込んでいない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下の2点について当初の研究計画と異なったが、それ以外は順調に進んでいる。1)特許保険についての情報収集に予定より時間を要している点。2)研究協力者を招聘し研究への助言・情報 収集の支援を頂き、研究の推進を図る予定であったが先方の都合で26年度中には実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、特許保険についての情報収集を行い、26年度に作成した基礎モデルに、企業のR&D投資、技術選択・商品開発のインセンティブをモデルに組み込みシミュレーションを行う予定である。また研究協力者と連絡を密にとり、モデルの精度をあげる。27年度後半よりこれらの結果をディスカッション・ペーパーの形にまとめ始める予定である。
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