2016 Fiscal Year Annual Research Report
Strategic Patent Policy and Infringement Litigation
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26380281
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大野 由夏 北海道大学, 経済学研究科, 教授 (50598480)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 知的所有権 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの特許侵害訴訟の理論モデル分析を基に、シミュレーション分析を行い、パテント・トロール、non-practicing entities (NPEs), patent assertion entities (PAEs) や特許保有団体などの新ビジネスモデルが、企業の研究開発活動に及ぼし得る影響についての分析を行った。特に non-practicing entities については、これまで通常信じられていたのとは逆に、特許侵害訴訟に対して慎重である可能性も有ることが解明された。これまでの知的財産権の経済分析においては、特許侵害訴訟のプロセスをブラックボックスとして、その仕組については非常に大まかな取扱であったが、予想される特許侵害 訴訟 判決内容(勝敗・賠償額・訴訟費用・差し止め請求等) 、そもそも企業が提訴するか・和解に持ち込むか、また それ以前にど 様な技術や商品を開発したら訴訟を避ける事ができるかなどにおける企業のインセンティブを詳細に分析することにより、これまでと異なった分析結果を得ることが出来た。このことにより、特許侵害訴訟の仕組みやあり方について、より一層詳細な経済分析が必要であることを指摘することができたと考える。 特許保険については、協同組合的な様相を呈しており、業務内容自体が流動的であり充分な理論分析を行うことはできなかったが、その実態調査をある程度行うことが出来たことは有意義であったと考える。
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