2014 Fiscal Year Research-status Report
都市経済学の都市モデルと日本の現実の地価: 都市土地市場の開放度の識別
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26380285
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横井 渉央 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (90344712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 朝夫 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (80159524)
河野 達仁 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (00344713)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 不動産価格 / 実証研究 / 空間自己相関 / 日本 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はデータの入手・整理とすでに整理済のデータ等に基づく研究発表を行った。
前者では、日本におけるデータ、主に(a)国土交通省の不動産取引価格情報と(b)J-SHIS地震ハザード情報の入手・整理を行った。(a)は、ここ10年間の216万件の実際の取引の情報であり、様々な分析の可能性がある。(b)は、日本全国についての250mメッシュの表層地盤と地震確率のデータである。昨今の自然災害リスクへの注目という背景もあり、不動産の分析における有望な説明変数となりうる。
後者では、まず、「Sampling and observed spatial lag dependence in spatial autoregressive models」では、サンプリングによって空間自己相関の推定にどのような影響があるかをモンテカルロ実験で確かめた物である。空間計量経済学の専門の学会である「Spatial Econometrics Association」の年次大会において発表し、有意義なコメントを受けた。次に、「Two-stage spatial hedonic model on newly built condominiums in the Tokyo housing market」では、新築マンションにおける環境投資についての実証分析を不動産関係の国際学会である「Asian Real Estate Society」において発表した。環境対策への自発的な支出を確認していることになるのでは、との重要な指摘を受けた。さらに、「Impact of the risk of building collapse on land transaction prices: Spatial model analysis of data from metropolitan Tokyo before and after the Great East Japan Earthquake」では、東京都のハザード情報が地価へ与える影響についての実証研究を地域科学の学会で発表し、空間自己相関モデルの適用範囲について議論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
詳細なデータの入手・整理が進んでおり、次年度以降のさらなる有意義な研究が期待できるため。
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Strategy for Future Research Activity |
近隣都府県のペアを取り出して、残差に空間自己相関があるかを検討することで、ある都道府県内の土地市場が closed city モデルに適合するかどうかを確認する。
地価の対数変換を与件とするのではなく、対数変換のヤコビアンを考慮することで、線型モデル・ 対数変換モデルの選択を行う。
地価の波及効果のより精緻な理論モデル化を進める。計量経済学モデルとしては、空間自己相関モデルによる都道府県内の地価の相互依存関係とともにマルチレベルモデルによる都道府県間の地価の相互依存関係を推定する。
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Research Products
(4 results)