2016 Fiscal Year Annual Research Report
Industrial Policy Implications of Encouraging Open Source Software in Commerce and Open Projects
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26380287
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
S.J Turnbull 筑波大学, システム情報系, 准教授 (90240621)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | software development / management of technology / open source / Python language / case study |
Outline of Annual Research Achievements |
約20人のパイソンコンピュータ言語の開発に関わっている開発者とコミュニティアクティビストのインタービュー調査を行い、ウェブサイトとメーリングリストを閲覧して1980年代の後半からの歴史を調べてまとめた。日本の技術管理についての参考文献を調査した。主に以下の結果を確認した。 (1)パイソン言語の開発については最初の時代には少数人の開発者から現在のコア開発者グループに拡大して数百人が「コミッター」として自分の責任でパイソンのソースコードに新しい機能とバグフィックスを加える。ほとんどの開発者がボランティアである。大成功と言える。 (2)他の急成長を見せたオープンソースプロジェクトと同じく、フォウンダーのGuido van Rossum氏は今でも最終決定権を保留しているが意図的に大きい権力を持つコア開発者を育て歓迎する方針だった。 (3)コミッターが多いことに関わらず、van Rossum氏のリーダーシップにより協力的行動がコミュニティに染み込んで議論が激しくてもほとんどの場合には最終結果はコンセンサスとなり、次の課題にスムーズに活動を転換することができる。 (4)コンセンサスの背景に「Python Enhancement Proposal」という公式的な課程で議論を行い、その結果に加わって議論の経緯がコミュニティの「伝統」になり、以降の議論に大きな影響を与える。特にデザインと機能の選択へのコンセンサスを促す。 以上の(2)から(4)は日本人の価値観に近いことで、そして日本人の技術家には同僚や知り合いと技術を話したり分かち合ったりすることが普通である。「パイソンモデル」で日本のソフトウエア産業にオープンソース型の開発法とビジネスモデルの導入を検討すべきと考えらる。
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