2014 Fiscal Year Research-status Report
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26380294
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中野 牧子 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (00379504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柘植 隆宏 甲南大学, 経済学部, 教授 (70363778)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 企業の社会的責任 / 消費者行動 / コンジョイント分析 / ベストワーストスケーリング |
Outline of Annual Research Achievements |
企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility: CSR)に対する消費者の評価を調べることが本研究の目的である。平成26年度は、日本において重要なCSRの取り組みとは何なのか、文献調査からその概要をつかむとともに、アンケート調査を2件実施した。 まず、先行研究やISO26000の項目から日本において重要であると考えられるCSRに関する取り組みを複数選定した。さらにそれらのCSR項目に対して、ベストワーストスケーリング(Best Worst Scaling: BWS) の手法に基づくアンケート調査を実施することで、消費者がどの取り組みを行っている企業の製品を購入したいと思うかを調べた。平成27年度はこの結果を踏まえてコンジョイント分析の手法に基づくアンケート調査を実施予定である。 また、本研究は消費者がどこでどのようにCSRに関する情報を入手するかを調べることも目的のひとつであり、情報の入手経路に関する質問もあわせて実施した。従来、アンケート調査を用いて消費者の選好を調べる研究においては調査対象に関する情報をこちらから提供した上で、回答してもらうことが多い。しかし、実社会においては、特にCSRに関する情報は受け身では入手できないことが多い。このため、こちらから情報を提供して実施する調査は現実と乖離が生じる可能性がある。このため回答者を、受動的に情報を入手できるグループと、能動的に情報を取りにいかなければ情報を入手できないグループに分け、コンジョイント分析の手法に基づくアンケート調査を実施した。このような調査設計は新たな試みであるため、まずはCSRの中でも環境属性に注目して調査を実施し、調査設計を検討した。平成27年度はこの調査設計をもっと幅広いCSRの項目に応用したアンケート調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度に実施予定の本調査に向けて、調査設計の確認及びCSRの主要な項目の選定に関する調査を実施することができたため、概ね計画通りに研究を実施していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、平成26年度に実施した調査の結果を踏まえてアンケート調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画を若干変更し、購入予定だったソフトウエア等を購入せず既存のものを利用したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に実施予定の調査をより充実させる、または調査票作成のための文献購入等の費用に充てる予定である。
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