2017 Fiscal Year Annual Research Report
The evaluation on corporate social responsibility by consumers
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26380294
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中野 牧子 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (00379504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柘植 隆宏 甲南大学, 経済学部, 教授 (70363778)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 企業の社会的責任 / ベストワーストスケーリング / 選択型実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility: CSR)に対する消費者の評価を定量的に明らかにすることを目的としている。昨年度までは、ベストワーストスケーリング(Best Worst Scaling: BWS)を用いて、13項目のCSRに対する評価を分析した。その結果、製品の安全性が最も高く評価され、次に評価が高いのは海外における環境保全であることが明らかとなった。最終年度である2017年度においては、選択型実験を含むアンケート調査を実施した。平均的に見ると製品に有機栽培の原材料が用いられている場合は購入確率にプラスの影響、従業員が長時間労働を行っている場合には購入確率にマイナスの影響がある傾向がある。また長時間労働に関する情報が不明である場合には、長時間労働が無い場合よりも購入確率にマイナスの影響があった。このため、企業のCSRに関する情報は消費者に適切に伝わった場合に消費行動に反映される可能性があると推測される。ただし、選好には多様性があることも明らかとなった。さらに、回答者がこれまで企業の社会的な取り組みについて調べたことがあるか、ある場合にはさらにその頻度についても尋ねたところ、自ら調べたことがない回答者が最多であった。このため、製品そのものの品質に必ずしも直結していない情報を消費者にどのように伝えるかは、引き続き検討する必要がある。
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