2014 Fiscal Year Research-status Report
経済成長と日本における女性の社会進出の在り方について
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26380305
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
比佐 章一 神奈川大学, 経済学部, 准教授 (20345440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 友彦 学習院大学, 国際社会学部, 教授 (10328669)
比佐 優子 帝京大学, 経済学部, 准教授 (50456290)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 女性労働 / 生産性 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、約2万6千社強のミクロデータを基に、各企業の代表取締役における女性の進出についての、実証研究をおこなった。そしてこれらの企業において、女性が経営者である企業は、27707社中559社であり、全体の約2%ときわめて低水準にあることがわかった。また女性が経営者である企業は、男性が経営者である企業よりも企業規模が小さく、成長率も低い企業である傾向にあることがわかった。また専門学校以上の学歴を持つ、女性経営者の割合も、男性に比べて低い傾向にあることは判明した。今回、こうした研究成果を、本年2015年度における経済学会の秋季大会に、報告原稿として提出した。 また日本産業生産性データベース2014による、産業ごとの集計データを用いた分析も行った。現段階では、男女間の産業別の労働分布の違いに、さほど大きな変化はみられないこと、すなわち男女間で就業先の産業の違いにさほど変化がないことがわかった。しかしその一方で、高専短大、大卒などの一般就業者については、かつては大きな違いがあったが、その違いが急速に縮まっており、高学歴の女性において、男女間の就業先の産業の違いがなくなりつつあることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データを入手して、分析可能な状況にまでデータを加工し、基本統計量を計算する段階にまで進んだ点で、ある程度の分析レベルにまで達したと思う。
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Strategy for Future Research Activity |
まずミクロレベルでは、日本の女性の取締役の特徴について、さらなる企業分析をおこなっていく予定。具体的には、男女の取締役の違いが、企業の生産性に影響を与えているのかなどについて、分析を行う予定である。また日本産業生産性データベース2014による、産業別の女性の社会進出の研究をさらに進め、女性の社会進出の度合いや生産性への影響などについて分析を行う予定である。そしてこれらの研究成果を、本年度中に、紀要論文にするか、査読付き論文(英語論文を含む)に投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
新たな企業データの購入を予定しているため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
帝国データバンクによる企業間の取引関係データおよび役員・社長属性に関するデータの購入
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