2016 Fiscal Year Annual Research Report
Economic Growth and the state of Female Worker in Japan.
Project/Area Number |
26380305
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
比佐 章一 神奈川大学, 経済学部, 准教授 (20345440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 友彦 学習院大学, 国際社会科学部, 教授 (10328669)
比佐 優子 帝京大学, 経済学部, 准教授 (50456290)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 企業間取引関係 / 女性経営者 |
Outline of Annual Research Achievements |
帝国データバンクのデータを基に、企業間の取引関係を特定化し、そのうえで女性経営者が存在する企業がそうでない企業とどのような特徴の違いがあるかを分析した。この成果は、帝京大学経済学研究「女性経営者のネットワークと企業業績」にて掲載された。論文の主な内容は、従業員50人以上かつ資本金3000万円以上という、ある程度の規模を有する企業を対象としており、女性が経営者である企業は、25383社中494社であり、全体の約2%ときわめて低水準にあることがわかった。また女性経営者の学歴をみてみると、4年生大学が全体の4割、短期大学が2割、海外の大学が7.8%となる。また女子大の割合が42%であった。 また女性が経営者である企業は、男性が経営者である企業よりも企業規模が小さく、また労働生産性や資産収益率も低い企業である傾向にあることがわかった。さらに企業間の取引ネットワークの規模も若干小さいことが明らかになった。また専門学校以上の学歴を持つ、女性経営者の割合も、男性に比べて低い傾向にあることがわかった。 こうした結果は、一見すると女性経営者の企業の方が企業規模も生産性も低いように思われる。しかし回帰分析を行った結果、企業規模や労働生産性、資産収益率などに対しては、経営者の性別ではなく、ネットワークの中心性である、次数や近接中心性、媒介中心性などが影響を与えていることがわかった。この結果より、経営者の男女の違いが、企業のパフォーマンスに影響を与えているわけでないといえる。 こうした事実は、女性の経営者の能力を見極めるうえで、企業の中心性という点も十分考慮すべき点であり、また女性の社会進出を考えるうえで、考慮すべき点であるといえる。
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