2016 Fiscal Year Research-status Report
日本と中国の内生的な地域経済成長と地域間経済格差に関する理論的・実証的研究
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26380339
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
鄭 小平 立命館大学, 経済学部, 教授 (50251012)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地域経済成長 / 地域産業構造 / 規模に関する収穫逓減 / 政治経済制度の変革 / 日本と中国との比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度では、日本と中国の内生的な地域経済成長に関して理論分析と実証研究を行った。得られた主な研究実績は次の2点にまとめられる。 まず、日本と中国の内生的な地域経済成長に関する実証研究の成果を学術論文の形で国際学術専門誌Australian Economic History Reviewに掲載させることができたこと。この研究は、19世紀における日本と中国の地域経済成長を定量的に分析・比較しているが、経済成長が政治経済制度の変革を促進し、また政治経済制度の変革が経済をさらに成長させていることを示した。このような研究結果は、現代における日本と中国の経済成長と政治経済制度の発展に関する研究においても応用できるものと考えている。 次に、日本と中国の地域経済成長のメカニズムに関する理論分析により、規模に関する収穫逓増と地域の産業構造に関する学術論文をとりまとめ、日本経済学会2016年度春季大会にて発表を行ったこと。この論文は、2地域・2要素・2産業のフレームワークを用いて、地域の製造業構造の形成を説明している。具体的には、地域の中間財の多様性が製造業における規模の経済性を規定すると仮定することにより、中間財のより多い地域では製造業がより技術集約的になり、中間財のより少ない地域では製造業がより労働集約的になることを明らかにした。この論文が示した研究成果は今後、日本と中国の内生的な地域経済成長に関する実証分析にも応用できるものと期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究活動によって得られた成果が学術論文などの形にまとめられつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は本研究の最終年度であり、次の2点に注意して研究を進めていきたいと考えている。 (1)これまでの研究成果を研究テーマに沿って体系的に取りまとめること。 (2)これまでまとめてきた学術論文を修正・改訂し、国際学術専門誌に掲載されるようにすること。
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