2017 Fiscal Year Research-status Report
出産・育児期における離職および育児休業を含む休業形態選択に関する男女比較
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26380347
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Research Institution | Hannan University |
Principal Investigator |
西本 真弓 阪南大学, 経済学部, 教授 (00388604)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 配偶者出産休暇制度 / 育児休業制度 / 出産 / 育児 / 離職 / 子の看護のための休業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、(1)男性における育児のための休業形態の選択、(2)子の看護のための休業形態の選択、(3)出産・育児期における女性の離職率の分析の3分析を行う予定である。 29年度は、(2)と(3)の研究を主として行った。(2)の研究の予備分析として、「子の看護休暇の取得要因に関する分析」を行った。厚生労働省が実施した『平成20年度 雇用均等基本調査』の個票データを用い、被説明変数には小学校就学前の子を持つ労働者における子の看護休暇取得者割合を用いてトービット・モデルにより推定を行った結果、看護休暇中の賃金が有給または一部有給の場合、取得率が上昇し、取得日数も多くなるなどのことが明らかとなった。現在は論文の執筆を終了し、査読論文として投稿中である。 また、(3)の研究の離職率に関連する予備分析として、「育児休業取得後の復職率に関する分析」を行った。予定通り職場復帰を果たせる労働者が多い企業の職場環境や導入している育児支援策を明確にし、休業取得後にスムーズに職場復帰するための制度や政策を探ることを目的としている。分析結果より、勤務時間に関する制度及び勤務時間以外の育児支援策のうち復職率を有意に高めるのは短時間勤務制度であること、子の看護休暇制度は、子どもが小学校入学以降も取得対象とする場合において有意に復職率を上昇させることなどが明らかになった。現在、本論文は『経済政策ジャーナル』に査読論文として採択され、印刷中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、(1)男性における育児のための休業形態の選択、(2)子の看護のための休業形態の選択、(3)出産・育児期における女性の離職率の分析の3分析を行う予定で、(2)の予備研究である「子の看護休暇の取得要因に関する分析」は学術雑誌に査読論文として投稿中である。また、(3)の予備研究である「育児休業取得後の復職率に関する分析」は、『経済政策ジャーナル』に査読論文として掲載される予定である。よって、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
(2)子の看護のための休業形態の選択の分析結果をまとめ、執筆を完成させる予定である。また、(1)男性における育児のための休業形態の選択と、(3)出産・育児期における女性の離職率の分析については、計算結果の集計をさらに進展させる予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 残金が少額で、希望の物品を購入することができなかったから。 (使用計画) 繰越分については、平成30年度の出張旅費に充てる予定である。具体的には、出産・育児期における女性の離職等に関する聞き取り調査などを行う予定である。
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