2017 Fiscal Year Annual Research Report
Policies for Economic Growth and Firm Heterogeneity
Project/Area Number |
26380348
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
堀 勝彦 琉球大学, 国際地域創造学部, 准教授 (50635018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 史郎 兵庫県立大学, 経済学部, 准教授 (20451685)
石澤 末三 帝塚山大学, 経済学部, 非常勤講師 (90094961)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 経済成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、企業の「市場への参入→生産活動と技術開発→市場からの退出」というライフサイクルを明示的に導入した経済成長モデルを構築し、従来より多様で複雑な技術開発と企業退出の関係を示した。 (1) 新技術開発に対する補助政策は、経済成長率を高める効果をもつ一方、企業の市場退出率に及ぼす影響は異時点間の代替弾力性(利子率の上昇が消費の増加率を高める度合い)の大きさにより異なることが明らかとなった。異時点間の代替弾力性が1より大きい場合は企業の市場退出率は上昇し、1より小さい場合は企業の市場退出率は低下する。 (2) 競争政策は、その政策のあり方により効果が異なることが明らかとなった。① 新企業の市場参入に対する障壁の軽減は、企業の市場退出率も高めると同時に経済成長率を低めるという結果が得られた。ただしこの結果については、特に現実の政策効果との照らし合わせその結果の妥当性についてより詳細な検討が必要と思われる。② 既存企業間の製品市場競争の促進は、企業の市場退出率を低めるが、経済成長率に対して(A)他社の需要を奪うため技術開発を促進する効果、(B)新企業の参入が抑制が既存企業の技術開発を促進する効果、退出率の増加が技術開発を抑制する効果、の3つがあり、それらの大小によりその効果の正負が異なることが明らかとなった。 (3) 企業の生産費用に対する補助政策は、企業の市場退出率には影響を及ぼさず、経済成長率を低めることが明らかとなった。
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