2014 Fiscal Year Research-status Report
社会的選好を考慮した社会保障政策の再構築のための理論的研究
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26380355
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
水島 淳恵 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (80536334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板谷 淳一 北海道大学, その他の研究科, 教授 (20168305)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 公共財の自発的供給 / 所得再分配 / 不平等 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来の家族経済学における家計内公共財の供給量は家計内構成員間のナッシュ均衡(非協力ゲーム均衡)により決定されることが示されている。その場合、家計内の所得再分配は公共財の均衡供給量を変化させないことが知られている(Warrの中立性命題、Warr (1983, Letters))。 本年度では、①公共財の供給量が従来のモデルと同じナッシュ均衡量であっても、2財以上の公共財を想定した場合と、異質な個人を導入することによって、従来の研究結果とは異なる資源配分結果がえられることを明らかにした。また、②公共財供給におけるWarrの中立命題が成立しないことについても明らかにすることができた。 研究結果は、"Should income inequality be praised? Multiple public goods provision, income distribution and social welfare”としてまとめ、Association of Public Economic Theory, International Insitutie of Public Fincnceそれぞれの学会、ソウル大学でのセミナーで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画として、(1)家計内公共財供給の供給メカニズムの解明、(2)家族の厚生水準および社会厚生水準の決定、について明らかにすることをあげていたが、初年度では、計画(1)にあげている家計内公共財供給の供給メカニズムに関する基礎的研究を完成させることができた。(2)に関しては、家族の厚生水準が所得不平等とどのような関係があるのかを明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は初年度で実施した研究を基礎として、家計構成員間の交渉力・家庭内資源配分に関する社会的規範(慣習・家族形態・家計内での女性の役割)が家計構成員の意思決定及び均衡配分に与える影響を明らかにしてゆく。
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Research Products
(3 results)