2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26380356
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 浩 東北大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (60275823)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 高齢化 / 世代会計 / 公的年金 / 地方財政 / 世代間不均衡 / 社会保障 / 財政赤字 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.社会保障制度(年金)政策への世代会計の応用 世代にかかわる政策課題として、「世代会計の視点から見た平成26年財政検証結果の再検証」と題し、日本経済新聞2014年9月30日号に世代会計を用いた、現在の年金政策の状況についての検証結果を公表した。そこでは、年金財政検証結果の検討は受給者の視点からなすべきであり、政策の本質を国民側から数値化する世代会計で評価すべきあり、そして年金の支給の削減を急ぎ「小さな社会保険」を目指すべきことを主張している。
2.世代会計の地方財政政策への応用 『東北自治 81号』(東北自治研修所)に「市町村財政における将来世代への負担の考え方」の論文を公表した。当該論文では、地方公共団体財政健全化法における将来負担の比率の指標は当該自治体の直面する負担に関して事実を示してはいるものの、当該自治体の将来の住民にとっての実質的な負担を適切に示しているかといえば、必ずしも十分ではないことを指摘し、地方財政の分野においても適切な運営指標としての世代会計が有用であることを主張している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的の第1段階である、経済政策における現行の各種指標の問題点や限界を明らかにしつつ、世代会計の有用性を整理するステップは順調に推移している。 特に、今年度はマクロの視点から公的年金会計、地域の視点から地方財政と生さればルのバランスにも配慮し、世代会計の有用性を公刊論文として示しているので。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後については、昨今の経済学的・政策的なイシューである所得再分配政策について、世代間の所得再分配政策の問題点を、世代会計の視点から明らかにする応用的研究に着手したい。
|
Research Products
(2 results)