2014 Fiscal Year Research-status Report
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26380376
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
川出 真清 日本大学, 経済学部, 准教授 (00361890)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 財政スタンス / 構造的財政収支 / 財政規律 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本研究に必要である政策的帰結を表す主に構造的財政収支の推計と、各国民の政策態度を示す個票データの入手、その分析のための予備的整備を行った。申請者は、過年度より構造的財政収支の推計に必要な作業として、都道府県別の税収弾性値の推計を行ってきた。税収弾性値は構造的財政収支の推計に重要な役割を果たす数値であり、都道府県別の税収弾性値が計算できることは、国のみならず地域別の構造的財政収支の計算も可能となることを意味している。その税収弾性値の推計が可能となったことから、日本財政学会の機関誌である「財政研究」において研究成果を掲載することができた。一方、本研究で予定していた、都道府県別の構造的財政収支についても、推計を実施し、こちらも日本財政学会での報告を行った。これらの研究成果を受けて、今後は都道府県別財政収支を軸として、地域別の構造的財政収支の推計の精度を上げてゆきたいと考えている。また、各時点の財政の見通しと財政スタンス、そしてその帰結に関する研究を行い、財務省財務総合政策研究所の機関誌「フィナンシャル・レビュー」にその成果を掲載した。次に、個票データについては慶応義塾大学の「慶應義塾家計パネル」を入手し、データクリーニングを進めている。クリーニング作業にて間取り、分析作業に展開できていないが、次年度中にその作業を完成させ、具体的な分生作業に移る予定である。今年度は、分析のための基礎的作業を進めることができ、分析遂行上の具体的かつ技術的課題が明らかとなった。翌年度以降の研究にむけて、これらの知見を活かしてゆきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究成果は概ね順調に出ていると考えられるが、主に個票データ分析の準備にて間取りにわずかに遅れ気味である。個票データの詳細な検討には十分なデータの精査が必要であり、その部分の時間が掛かる点に留意する必要があった。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、本年度の地域及び個票レベルのデータおよび分析面の整備を図ることを引き続き行ってゆく。その上で、国民の関心、そしてその帰結の両面から出しうる成果を求めてゆきたいと考えている。なお、入手した個票データについては、早急に分析を進められるようにしたいと考えている。
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Causes of Carryover |
購入予定の既存パソコンの増強に関して、部品の欠品により購入できないとされた。データ入力については、作業を依頼する段階に至らなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
代替の部品の購入、または他の方法での同等の機能の確保を目指し、遅れ気味のデータ整備作業を進める。
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Research Products
(3 results)